お米から油が取れる!?栄養満点、種類も豊富な【米油】の基礎知識

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 米油の基本情報

米油イメージ写真

米油というとピンとこない人も多いと思いますが、確かにスーパーに行ってもあまり目に触れる機会がない油ですね。※私は見ても普通にスルーしていました。CM等をみたことがないので、そもそもこめ油の存在を認識していなかったと思います。CMって凄い・・・

米油は米ぬかから抽出・精製される植物油です。さらっとした風味が特徴でクセや香りが少ないので、幅広い調理に使用可能な油です。

下部にグラフがあるのでご覧頂きたいのですが、米油は他の植物油に比べて脂肪酸のバランスが《飽和・不飽和(多価不飽和・一価不飽和)》よい事や、ビタミンEの含有量が多い熱に強く加熱した際に酸化しにくいという特徴があります。

また、微量ですがトコトリエノールという物資が含まれています。
米油とパーム油に特有の物質で、この成分が抗酸化作用を有します。
※ただし、含有量は100gあたり0.06gと微量です。

現在、日本はほとんどの植物油の原料海外からの輸入に頼っています。(ごま、大豆、菜種、コーンなど)そのなかで、ただ一つの例外が「米油」です。お米は日本で最大生産量を誇る農産物ですよね。

それが珍しい国産の植物油原料につながっているのです。
米ぬかから油を絞る事は江戸時代から試みられたようですが、米ぬかに含まれる油分は20%未満と低く、(ごま種子だと約40%~)強い圧力をかけても油を搾り出すことは簡単ではありません。

こめ油の生産が本格的に試みられたのは昭和の初期で、菜種油の圧搾に用いられていた圧搾機(玉締機)を利用し米油を製造したという記録があるそうです。

生産量が少ない上に、米油の特徴から食品の加工に用いられることが多く、これまでは家庭用商品が少なかったため私達の目に触れにくくなっています。

ただ、米粉で作られたせんべいを米油で揚げると、香りの良い揚げせんべいになったりします。また風味だけではなく、一定温度までなら加熱されても酸化に強いという特徴で、おせんべいの品質が長く保持できるという特徴があります。同じ理由で、ポテトチップスやかりんとうなどの揚菓子やカップ麺などに広く使用されています。※日本で製造されるポテトチップスの大部分がこめ油か、こめ油を配合した油で揚げられているそうです。

また、食べ物だけでなく米油の製造過程で副産物として発生するワックス分は、インク、ろうそく、リップグロスなどの材料に用いられており、実は私達の生活に幅広く浸透している油なのです。

そんなこめ油も近年の植物油ブームに乗って最近では小規模なメーカーさんを含めて様々な種類が販売されるようになりました。

2. 米油の年間供給量

おすすめ米油集合写真
米油の供給量:88,019トン(日本の植物油では5位の供給量)
普段あまり目にしないだけで供給量は意外に多いのです。
2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」

国内生産が63,873トン、海外からの輸入が24,146トン。
2000年の国内総供給量は約75,467トンであり、国内生産量は微減だが、輸入量が約14,000トン増加している為、全体としての供給量は微増している油です。
※こめ油そのものの輸入はお隣韓国やタイなどアジア諸国からが中心です。

米油年間供給量2014参照:2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」

3. 米油の含有脂肪酸

米油の各脂肪酸比率参考:日本油脂検査協会

リノール酸オレイン酸それぞれ半々の約40%であり、植物油としてはバランスの良い脂肪酸構成
※他はパルチミン酸(C:16)/17% ステアリン酸(C:18)が2%

ただし、リノール酸が約40%なので、摂り過ぎには注意が必要です。

4. 米油の精製方法

精油度合いによる油脂の分類(食用植物油の精製方法による名称)
原材料に由来の名称 精製しない油
(浮遊物除去のみ)
精製油
(脱酸・脱臭・脱色)
サラダ油
(脱ワックス)
大豆油 精製大豆油 大豆サラダ油
なたね油(キャノーラ油) 赤水 精製なたね油 なたねサラダ油
ごま油 ごま油(焙煎) 精製ごま油 ごまサラダ油
オリーブオイル バージンオリーブオイル 精製オリーブオイル
こめ油 精製こめ油 こめサラダ油
調合油(2つ以上の油を混合) 調合サラダ油

米ぬかには油部分は少ない(20%未満)ので、抽出するには(高温で)絞るか、溶剤を使って溶け出させる(圧搾法・溶剤抽出法)必要があります。そこから精製するという方法となります。
その精製の過程でも高温と薬品にさらされるている可能性は否定できません。

国産原料なので、遺伝子組み換えの心配はないのですが、抽出・精製方法には注意が必要ですね。

5. 米油のうんちく

国産原料、お米の有効利用、優れた風味などこめ油の特徴を紹介しましたが、こめ油があまり普及してない理由をうんちくします。

そもそもお米が足りない!?

米油の原料である米糠の数量は、当たり前ですがお米の生産量によって決まります。

お米自身の消費減退や転作の奨励によりお米の生産量は近年減少傾向にあります。農林水産省の統計によれば、2008年のお米の生産量(玄米、食糧用)は約866万トンでした。約40年前の1967年は約1,400万トンの生産量があったのでほぼ半減です。

お米(玄米)の8~10%が米糠ですから、約85万トンの米糠が発生することとなります。

このうち、売買用に出回る米糠の数量は60万トン程度と推計されます。この米糠を、こめ油を含む様々な用途に分け合うことになり、こめ油の生産に利用できる数量は約30万トンに過ぎません。このため、タイなどこめ油を生産している国から一部を輸入しています。

炭水化物抜きダイエットやパン食が進んだという事もあり、そもそものお米のニーズが下がっている現状では米油の普及は進まないでしょう。

ただ、特徴のある油ですので、是非一度良い米油を試して欲しいですね。

米油の栄養素や効能、選び方とオススメ商品について知りたい方は、ぜひこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

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