【粗悪品には要注意!】オリーブオイルの基礎知識

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. オリーブオイルの基本情報

オリーブオイルイメージ写真

オリーブオイルとはその名の通りオリーブから精製される植物油です。

その歴史は古く、聖書にも頻繁に登場します。旧約聖書・創世記のノアの箱舟で大洪水の後、箱舟からノアが鳩を放つと、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえて戻ってきたとあります。(創世記8:11)

紀元前3000年には地中海沿岸で栽培が始まっていたとされ、聖書の舞台の地イスラエルでも栽培されています。現在でも生産国の98%以上は地中海地域に集中しています。日本では1910年頃、香川県の小豆島で初めて栽培に成功しました。

スーパーのオリーブオイル

※このように高級スーパーではオリーブオイルが目立つような配置になっています。※お酒の様に箱に入っているものも多く存在します。

しかし、JAS(日本農林規格)でサラダ油の原料9種類には認定されていないため、オリーブオイルは植物油ですが、何かとブレンドしてサラダ油としての販売はありません

そんなオリーブオイルは近年日本で消費量がうなぎのぼりの油です。

オリーブオイルの特徴をまず一言で言うならば、「オメガ9脂肪酸」の含有量が他の植物油とは桁違いに多い点でしょう。(オメガ9脂肪酸がおよそ70~80%)

植物性の油は構造上、多価不飽和脂肪酸であるオメガ3オメガ6が多く含まれるもの(大豆油等)と、一価不飽和脂肪酸であるオメガ9を多く含むもの等、様々な種類があります。どの油も100%オメガ6やオメガ9という事はなく、それぞれが混じり合って構成されています。

その中でも一価不飽和脂肪酸であるオメガ9はオリーブオイルがダントツで構成比率として高いというわかりやすい特徴を持っています。

オリーブオイルに多く含まれる一価不飽和脂肪酸、水素の穴が炭素の鎖の先頭にあるカルボキシル基から数えて9番目にあるので、「オメガ9」と呼ばれています。※下図を参照してください。

オメガ9構造イメージ図※炭素原子数(横の座席が)と二重結合数(何回分断されているか)というイメージでOKです。

オレイン酸は多価不飽和脂肪酸(18:1)なので、18個の座席が1~9と10~18の間で1回分断されている机をイメージしてください。

不飽和脂肪酸の中でオメガ9二重結合の部分が一つしか無いので融点が高くて酸化しにくいという特徴から加熱調理に向くと言われています。

空気中における酸化のしやすさ(オレイン酸)

そのオメガ9の代表格の脂肪酸がオレイン酸/C18:1です。
※他にはC16:1のパルミトレイン酸やC22:1のエルカ酸がオメガ9一価不飽和脂肪酸です。(パルミトレイン酸はオメガ7とも言われたりします)

オレイン酸は植物油ではオリーブオイル、動物性脂肪ではバターやラードなどに多く含まれている脂肪です。動物の体内では飽和脂肪酸(C2~20:0)がオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸(C16~22:1)へと変わってきます。

他の植物油に多く含まれるリノール酸/C18:2が、ガンマリノレン酸C18:3→アラキドン酸C20:4へと変化して体を巡っていくのとは異なり、オレイン酸は別の脂肪酸に変わることはありません

オレイン酸はそのまま小腸から吸収されていきます。オレイン酸はリノール酸のような健康被害はもたらしません。※酸化したオレイン酸は話が別ですが・・・

オレイン酸を豊富に含む食用油の代表的なものがオリーブオイルという訳です。オリーブオイルにはオレイン酸が70~80%含まれています。
※製法や原材料によって商品ごとに異なります。

健康に良いとされ、風味もバツグン!ファンが多いオリーブオイルですが、残念な事に売れるからこそ最近は品質の悪いものも出回ってしまっているようです。

家庭用油の市場規模推移
2000年 2015年 2000年~2015年
オリーブオイル 100億円強 300億円強 およそ3倍~4倍増
家庭用累計 1400億円 微増傾向が続く
業務用油 28兆円 24兆円 およそ4兆円のダウン

上記のようにオリーブオイルはこの15年間で3~4倍近く市場規模が成長して、サラダ油やキャノーラ油といった一般的な油と規模的には遜色ない油の一つになっています。
※供給量はこの15年でおよそ2倍増。
※供給量に対して市場規模の拡大が大きいのは平均価格が高いため。

2. オリーブオイルの年間供給量

おすすめオリーブオイル集合写真
オリーブオイル供給量:56,905トン(日本の植物油では7位の供給量)
※2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」

※国内生産が数トン?(国内での生産は殆どありません)、海外からの輸入が56,905トン。2000年の国内総供給量は約27,274トンであり、国内生産量はほぼ無いため、輸入量がこの15年で倍増した人気の植物油です。
8位のココナッツオイルとは8,000トンの差しかないのですが、販売状況を鑑みるに2020年までには100,000トン近くまで成長するのではないでしょうか?その位最近は品揃えが豊富な植物油です。

オリーブオイル年間供給量2014参照:2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」

3. オリーブオイルの含有脂肪酸

オリーブオイルの各脂肪酸比率参考:日本油脂検査協会

オレイン酸約75%という偏った構成となっている。他には飽和脂肪酸が14%、植物油としては珍しくリノール酸(オメガ6系脂肪酸)が少ない(10%程度)のが特徴です。

4. オリーブオイルの精製方法

精油度合いによる油脂の分類(食用植物油の精製方法による名称)
原材料に由来の名称 精製しない油
(浮遊物除去のみ)
精製油
(脱酸・脱臭・脱色)
サラダ油
(脱ワックス)
大豆油 精製大豆油 大豆サラダ油
なたね油(キャノーラ油) 赤水 精製なたね油 なたねサラダ油
ごま油 ごま油(焙煎) 精製ごま油 ごまサラダ油
オリーブオイル バージンオリーブオイル 精製オリーブオイル
こめ油 精製こめ油 こめサラダ油
調合油(2つ以上の油を混合) 調合サラダ油

オリーブオイルはごま油と同じように、そもそもの脂肪含有量が多いため、昔から地中海沿岸地域を中心に人間の生活に密着した油です。その為、低温圧搾法(コールドプレス)、冷搾法、常温での圧搾がベースの抽出方法となります。

その為、低温圧搾法・一番搾りのプレミアム・オリーブオイルも多数存在しており、価格こそ高いですが、良いものが手に入りやすいのもオリーブオイルの特徴です。

5. オリーブオイルのうんちく

オリーブオイルは、これを日常的に利用している地中海沿岸の人々が、かなり多くの脂肪を摂っているにもかかわらず、動脈硬化などの心疾患が少ないことから世界中で注目されるようになりました。
※ちなみにイタリアは日本の約半分の人口(6,200万人)なのに、オリーブオイルの消費量は約20倍の80万トンなので、一人あたりの年間オリーブオイルの消費量は40倍!にものぼります。

そして、様々な研究により、オリーブオイルに高濃度に含まれるオレイン酸悪玉(LDL)コレステロールを下げるという働きがあると言われるようになりました。

他にも、オリーブオイルは胃酸の過剰な分泌を防いで胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防したり、肝臓や膵臓、腸などの機能を高めて便秘解消にも役立つと言われています。

そんなオリーブオイルには品質で様々な種類に分類されます。

オリーブオイルの分類
番号 品質や精油度合いによる名称 酸度 (%) 備考
1 エクストラ・ヴァージン・オイル ≤ 0.8 ヴァージンオイルのうち果汁としての香りが良好で油としての品質がとても高いもの
2 ファイン・ヴァージン・オイル ≤ 2.0 ヴァージンオイルのうち果汁としての香りが良好で油としての品質が高いもの
3 オーディナリー・ヴァージン・オイル ≦ 3.3 ヴァージンオイルのうち複数の欠点があるとされるもの
4 ランパンテ・ヴァージン・オイル > 3.3 ヴァージンオイルのうち酸度が高く食用には不向きで、精製が必要なもの
5 精製オリーブオイル ≤ 0.3 ランパンテ・ヴァージン・オイルを【精製】したもの
6 オリーブ・オイル(ピュア・オリーブオイル) ≤ 1.0 精製オリーブオイルと中程度の品質のヴァージンオイルをブレンドしたもの
7 精製オリーブ・ポーマス・オイル ≤ 0.3 精製オリーブ・オイルの絞りかす(ポーマス)を溶剤を使ってさらに【精製】したもの
8 オリーブ・ポーマス・オイル ≤ 1.0 精製オリーブポマースオイルにヴァージンオイルをブレンドしたもの

表の酸度について解説します。オリーブオイルに限らず、油は「脂肪酸」と「グリセリン」が結びついた構造で成り立っています。例えばオリーブオイルの場合はオリーブの実に含まれている時が最も新鮮で、枝から離れた途端、「脂肪酸」と「グリセリン」の結合がどんどん解除されていきます。
その解き放たれて遊離した「脂肪酸」が、酸化していきます。

逆に言うと、遊離した「脂肪酸」が少なければ少ないほど『酸化』しにくいということになります。酸度とは、この「脂肪酸」が何%遊離しているかを指しているのです。つまり鮮度と置き換えてもイメージ的に齟齬はないかもしれません。

現在、日本で手に入るオリーブオイルには

  • 1番:「エクストラバージン・オリーブオイル」
  • 6番:「ピュア・オリーブオイル」
  • 8番:「オリーブ・ポマース・オイル」

の3種類があります。

上の表の備考を読んでもらえたらすぐにわかることなのですが、この中から選ぶべきは「エクストラバージン・オリーブオイル」一択です!

とは言っても。この言葉が日本人にはなかなか馴染みがなくてわかりづらいと思うので解説します。

バージン・オリーブオイル」というのはどういう意味かというと、オリーブの果実から絞ったままの油を指して総称しています。よって、「精製加工(脱酸・脱臭・脱色)はしていない」という意味ですので、「酸度が低い(鮮度が高い)」事や「一番搾りである」事や「低温圧搾をしている」という事ではありません。

「加工していない状態/バージン・オリーブオイル」で酸度が低い(鮮度が高い)ものエクストラ・バージン・オリーブオイルを名乗ることを許されるのです。
※バージン・オリーブオイルで酸度が0.8%以下のものに限る。
※二番煎じでも酸度が低ければエクストラ・バージン・オリーブオイルを名乗ることは可能です。

酸度は高いけれど「精製加工(脱酸・脱臭・脱色)はしていない」ものが表の2番・3番・4番のファイン・ヴァージン・オイルやオーディナリー・ヴァージン・オイル、ランパンテ・ヴァージン・オイルであり、それを工業的に精製加工して「酸度を抑えた/脱酸処理を施した」オリーブオイルが5番の精製オリーブオイルとなります。

しかし、まだこの状態では販売はしていません。

この「5番/精製オリーブオイル」と酸度が高く(鮮度が低く)残念ながらエクストラ・バージン・オリーブオイルになれなかった「2番のファイン・ヴァージン・オイルや3番のオーディナリー・ヴァージン・オイル」をブレンドして6番の「ピュア・オリーブオイル」として世の中に出回ることになるのです。※ここまで来ると全然ピュアな感じはしませんが・・・

さらにまだ活用して5番の精製オリーブオイルの搾りカスに溶剤を使用し、さらに搾ったものにバージンオリーブオイル(2番~4番)を加えたものが8番:オリーブ・ポマース・オイルとして販売されていきます。

なので、1番:「エクストラバージン・オリーブオイル」以外の他の2種類のオリーブオイル(6番:「ピュア・オリーブオイル・8番:「オリーブ・ポマース・オイル」はサラダ油と同様に科学溶剤などを使って油の抽出をおこなう過程を経るため、「おすすめできる油」とは言えません。しかも、高温で精製するので、トランス脂肪酸などの「危険な油」を含んでいることになります。このように、オリーブオイルなら何でも良いという訳ではないといううんちくをご紹介させていただきました。

オリーブオイルの栄養素や効能、選び方とオススメ商品について知りたい方は、ぜひこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

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