
1. えごま油の栄養素と効果・効能
えごま油はアマニ油と同じく、その成分のオメガ3脂肪酸が魅力です。
100gあたり
- α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸):55~65g
- ビタミンE :0.5~1 mg
オメガ3脂肪酸の期待できる効果・効能はこちらの記事で詳しく紹介していますのでそちらをご覧ください。
参考記事世間で良く聞くDHA・EPAの正体は実は油って本当!?その効果はどんなもの?
簡単に期待できる効果・効能をピックアップすると、
- 中性脂肪、LDLコレステロールの減少
- 血栓の予防
- 脳や網膜の神経伝達をスムーズにする
この3点が大きな特徴です。
また、抗酸化物質でもあり、若返りビタミンとして注目されているビタミンEも含有していますが、量は植物油の中でもかなり少なくこちらの効果はあまり期待できません。
※100gあたりに含まれるビタミンEの量はえごま油/0.5~1mg、オリーブオイル/7mg、米油/30mg、ひまわり油/39mg
このようにビタミンEはオメガ6系の油から摂取する方が効率的ですね。
2. えごま油の注意点
えごま油というとやはり気になるのが酸化ですよね。
抗酸化物質のビタミンEが少ない&連結部分の多い(多価不飽和脂肪酸)オメガ3脂肪酸が多い割合で構成されているので酸化に弱いです。よって保管・保存・使用方法には注意が必要です。
空気中での脂肪酸の過酸化反応/酸化のし易さは、二重結合の数に比例するため飽和脂肪酸→オレイン酸→リノール酸→αリノレン酸の順に過酸化脂質を作りやすくなると言えます。
※炭素原子数(横の座席が)と二重結合数(何回分断されているか)というイメージでOKです。
リノレン酸は多価不飽和脂肪酸(18:3)なので、18個の座席が1~6と7~12、13~18の間で分断されている机をイメージしてください。
飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸を主とする動物性脂肪やオリーブオイルやココナッツオイルは過酸化脂質になりにくいのに対し、空気中だとえごま油(約60%がリノレン酸)は過酸化脂質を作りやすいのはその特性上仕方のないことでしょう。
ところが、酸素分圧の低い体内では様子が異なります(体内は大気中の10%程度の酸素量)。体内では逆にリノレン酸は過酸化傷害(フリーラジカル傷害)を抑える方向に動いてくれるのです。
体内でフリーラジカル(酸化物質)が脂肪酸を攻撃して脂肪酸ラジカルができるとビタミンEがそれを安定化します。この時ビタミンEは酸化されますが、酸化されたビタミンEはビタミンCにより活性型に戻ります。そして酸化されたビタミンCはエネルギーを使って活性型に戻るという循環があるためです。※なので、えごま油や亜麻仁油では添加物(抗酸化ビタミン)を加えることを完全悪として捉える必要はないでしょう。
体内ではこのような抗酸化ビタミンなどの働きが十分であれば、(二重結合部分が多いため)過酸化攻撃を受けやすいαリノレン酸、EPA、DHAなどはむしろフリーラジカルを効率よく引き寄せるため、他に悪影響を与える前に消去するように働いてくれます。
※実際、フリーラジカルにより促進されると考えられている老化や癌化、動脈硬化などをえごま油や魚油が抑えることが動物実験では明らかにされています。
安定化されたえごま油は、直射日光が当たらない冷暗所に1年半の間保存しても過酸化物質は4%以下です。
なお、低温で搾油したものは(抗酸化ビタミンを加えなくても)より安定性は良いと言われています。
これらを踏まえると、もちろん早めに使い切ったほうが良いですが、体への影響という意味では過度に酸化を気にしなくも良いかもしれませんね。
3. えごま油の耐熱温度
※酸素を100℃で油脂に吹き込んで、過酸化物質が100になるまでの時間を比較したもの。この時間が長いほど、酸化に対して安定的。
抗酸化ビタミン(トコフェロール/ビタミンE・アスコルビン酸/ビタミンC)を添加して安定化させたえごま油は160℃で30分という調理条件では気にするほどのトランス脂肪酸は発生しません。上の表にもあるように加熱による酸化に対しては大豆油や紅花油に近い安定性となっています。
4. えごま油のオススメ商品ランキング6選
炒め物料理1回に必要な油量を大さじ一杯(15ml=13.5g)という前提。
内容量/ 酸化する前に 使い切る |
170g | △ |
---|---|---|
購入価格/ 購入し易さ |
1295円(税込) | △ |
単価/コスパ (13.5gあたり) |
102円 | △ |
原材料/安全性 | 食用しそ種子(中国産) | △ |
抽出・精製方法/ 安全性 |
機械圧搾法 | △ |
容器/ 安全性・保存性 |
遮光瓶容器 | ○ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
近所のスーパーでも比較的入手しやすい紅花食品さんの紫蘇油(エゴマ油)。オメガ3(αリノレン酸)が62%としっかりと含有されている他、製造方法は「化学溶剤を使わず昔ながらの機械圧搾法により一滴一滴しぼりとった一番搾りの油です」とあります。さらに一番搾りであり、容器も色付きの遮光瓶になっています。値段は若干高めですが、えごま油では普通くらいかな?という範囲内です。後は原材料ですが、「中国産を使用しています。現地の農場管理を含め、トレーサビリティをしています。定期的に2国間で残留農薬の検査をしています。」ときちんとHPにて情報公開をされています。バランスを考えると★3つです!
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内容量/ 酸化する前に 使い切る |
185g | △ |
---|---|---|
購入価格/ 購入し易さ |
1480円(税込) | △ |
単価/コスパ (13.5gあたり) |
108円 | ○ |
原材料/安全性 | 食用えごま油(中国産) | △ |
抽出・精製方法/ 安全性 |
低温圧搾・一番搾り・無添加 | ○ |
容器/ 安全性・保存性 |
透明瓶容器 | △ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
原材料が中国から輸入している為に、この価格で提供できるのでしょうね。ただ、その精製方法は問題なく魅力的です。「えごま油欲しいけどちょっと値段が高すぎなのでは?」という方は【品質と値段のバランス】が取れていると思われるこちらをおすすめします。
以下メーカーHPより抜粋
自然栽培した荏胡麻種子を乾燥後、低温圧搾製法で搾った一番搾りえごま油100%の未精製の商品です。パッケージ記載のαリノレン酸含有量/62.2%~
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内容量/ 酸化する前に 使い切る |
250g | ✕ |
---|---|---|
購入価格/ 購入し易さ |
2500円(税込) | △ |
単価/コスパ (13.5gあたり) |
135円 | △ |
原材料/安全性 | 有機食用えごま(韓国) | △ |
抽出・精製方法/ 安全性 |
低温圧搾・生搾り | ○ |
容器/ 安全性・保存性 |
透明瓶容器 | △ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
こちらは珍しくお隣韓国からの輸入物になっています。えごま油は韓国でも消費が多く(詳細は本文参照ください)、それを輸入しているものがこちらです。ただ、価格設定が?な商品でして、参考価格: ¥ 6,800、価格: ¥ 3,400、セール価格: ¥ 1,980 となっています。在庫があるのでしょうかね?大さじ一杯分の価格はえごま油としては高くもなく、安くもなくといった所です。
JASからのお墨付きを受けているのがセールスポイントの用ですが、お金で何とでもなってしまうと思うので、そこはあまり評価点には入れていません。しかしながら、容量が多いことを除けば非常に値段と精製方法のバランスが取れていますし、韓国は日本よりも油に関しての規制が進んでいる国なので、原材料が有機栽培なのであればおすすめしても良いかと思って★3つです。パッケージ記載のαリノレン酸含有量/62%~
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内容量/ 酸化する前に 使い切る |
100g | ○ |
---|---|---|
購入価格/ 購入し易さ |
2332円(税込) | △ |
単価/コスパ (13.5gあたり) |
313円 | ! |
原材料/安全性 | 食用えごま種子(国産) | ○ |
抽出・精製方法/ 安全性 |
低温圧搾法(石臼玉搾り) | ◎ |
容器/ 安全性・保存性 |
遮光瓶容器 | ○ |
総合評価 | ★★★★☆ |
ごま油でも「低温圧搾法(石臼玉搾り)」の商品を販売されている「鹿北製油」さんが販売されているえごま油がこちらです。国産のえごまを、薪火低温焙煎で釜煎りし、手すき和紙でろ過しただけの無精油の原油消泡剤、カセイソーダ等の添加物なし。
そりゃ値段は高くなりますよね。ぶっちぎりのハイコストですが、それに見合うだけの原材料や精製方法となると、折角「えごま油」を購入するのであればこのクラスに一度チャレンジしてみたいものですね。
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内容量/ 酸化する前に 使い切る |
180g | △ |
---|---|---|
購入価格/ 購入し易さ |
1566円(税込) | △ |
単価/コスパ (13.5gあたり) |
118円 | △ |
原材料/安全性 | 食用えごま油(主に中国産)酸化防止剤 | ! |
抽出・精製方法/ 安全性 |
? | ? |
容器/ 安全性・保存性 |
透明瓶容器 | △ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
こちらはボトル(容器)が何とも素敵な銀の雫という創業1883年のごま専門メーカーであり、国産ごま取り扱いシェア日本一の和田萬さんが提供するえごま油です。こちらの特徴としてはえごま油にビタミンCとトコフェノール等を酸化防止剤を添加することによって、酸化に対しての耐性を持たせていることです。無添加が良いと思いがちですが、実はえごま油はこのように精製することにより「調理に使いやすくなる」という側面を持っています。(詳しくは本文参照ください)
えごま原料の産地は主に中国だったりするようなので、その精製方法に対しての紹介がないのは少し不安要素です。それがあれば★4つなのですが。。
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内容量/ 酸化する前に 使い切る |
50g | ◎ |
---|---|---|
購入価格/ 購入し易さ |
2014円(税込) | △ |
単価/コスパ (13.5gあたり) |
543円 | !! |
原材料/安全性 | 島根県産えごま100% | ◎ |
抽出・精製方法/ 安全性 |
低温圧搾・生搾り・無添加 | ◎ |
容器/ 安全性・保存性 |
透明瓶容器(箱入り) | ◎ |
総合評価 | ★★★★☆ |
大さじ一杯(13.5g)がなんと約500円と完全にプレミアムオイルに分類できるこちらのえごま油。島根県で無農薬栽培にて作られた原料のみをそのまま島根県(産地)にて搾油瓶詰加工しています。通常のえごま油は100g中62g前後のαリノレン酸(オメガ3脂肪酸)に対して、こちらはαリノレン酸が68.2gと記載があります。
なぜ、そこまで含有量が多いのかはいずれメーカーさんに問い合わせてみようと思います。ここまでくると貧乏性な私はもったいなくて使えませんね。(汗)