【調理に向くけど摂り過ぎは注意!】綿実油の基礎知識とオススメ商品比較

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 綿実油の紹介

綿実油イメージ写真

綿実油はJAS(日本農林規格)で定められた9種の精製植物油の一つです。
※その9種類のうち2種類以上をブレンドした場合に「(調合)サラダ油」という名称となります。

綿実油はその名の通り、綿の実(種)から作られる植物油です。

綿実油サムネイル

綿実油には独特のコクと風味(旨味)があります(スプーンで一口飲んでみるとよくわかります)。なので、他の植物油と混合せずに単独で利用されることも多く、レストランや料亭で「高級油」として使われるケースも多いようです。※様々な食材との相性がバツグンです。

他にも中食(お弁当やお惣菜)の揚げ物やスナック菓子などに使われたり、ツナ缶の油漬け用にも使われます。また、マーガリン等の加工油脂の材料としても多く用いられます(価格が高いため現在ではそんなに使われないようですが)。変わったところでは関西での手延べそうめんを製造する際の粘着防止用に使われたりするなど綿実油は実は私達の生活で幅広く使用されています。

こちらもひまわり油紅花油ピーナッツオイルと同じように、「世界では消費量が多いが、日本での消費量は少ない」という特徴を持った油になっています。

日本での綿実油の消費量が年間約8,500トンに対して、世界では年間4,800,000トンも消費されています。(特にインドや中国での消費が多く、その2カ国で約2,500,000トンを消費しています。世界の約半分の綿実油を消費しています)

両国の人口が日本の10倍~15倍という事を加味しても、消費量は1,000,000トンを両国ともに超えているため、一人あたりの消費量は日本の10倍以上となります。

さらに、生産量をみると世界の植物油の中で第6位の生産量を誇る植物油です。(パーム油・大豆油・菜種油・ひまわり油・パーム核油に次ぐ生産量になっています。)
参考:ISTA Mielke社「Oil World誌」 「2011年度 1人当たり消費量の世界比較」

綿実油綿の種子から搾油をするものですが、綿の生育にはある程度の高温(平均気温25℃程度)な環境が必要です。アメリカのコットンベルトとよばれる綿の栽培地帯は北緯37度~39度。年間降水量は1000~1500 mmを要する一方、綿の開花期には乾燥期間(雨の降らない期間)が必要となります。
ちなみに日本の年間降水量は平均1,700 mm。最も少ない長野県は約900 mmなので、結構沢山雨が降らないと綿の栽培は出来ないという事ですね。

なので、「高温で、そこそこ雨は降るけど、乾期もある」という場所でしか綿は栽培できないという事ですね。(寒冷地の亜麻(仁油)、熱帯のココナッツ(オイル)等など、油はその原料産地の気候で様相(含有脂肪酸や特徴)がまったく異なるので面白いですよね♪)

2. 綿実油の基本情報

2-1. 日本の「年間供給量」

綿実油供給量:9,000トン(日本の植物油では11位の供給量)
※2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」
国内生産が4,000トン、海外からの輸入が5,000トン。
2000年の国内総供給量は約15,800トンであり、15年間で半減しました。
原料の綿実の主な輸入先はオーストラリアとアメリカです。

綿実油の年間供給量参照:2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」

2-2. 含有脂肪酸

綿実油の各脂肪酸比率参考:日本油脂検査協会

リノール酸57%とメインで構成されており、その他にオレイン酸飽和脂肪酸42%を構成しています。リノール酸含有量が多いため、摂り過ぎには注意が必要な油ですね。

2-3. 抽出方法

圧搾法や溶剤抽出法が主に使われます。
※後ほど追記していますが、高温での加工処理が必要となります。

綿実(種)の油分は15~20%と他の油糧種子と比べても少なく、採算を取るために多くは溶剤抽出法(油分の99%の搾油が可能)が使われます。ただ、一番搾りのプレミアム綿実油も少ないですが存在しています。

2-4. 特徴と酸化

栄養成分では抗酸化成分であるビタミンE非常に多く含まれているのが特徴です。

100gあたりに含まれるビタミンEの量はオリーブオイル/7mg、大豆油/10mg、菜種油で15mですが、綿実油には35mgとかなり多くビタミンEを含みます。
※圧倒的にビタミンE含有量の多いひまわり油39mgに肉薄する含有量です。
他に多い植物油はこめ油/30mg、紅花油/27mgなので綿実油はビタミンEの含有量が相当に多いのがわかりますね。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2010」より

2-5. 推奨使用方法、耐熱温度

発煙点 は233°C引火点は315°Cとなっています。
高温の料理にも使用可能な油です。
(ただし、200℃以上になるとトランス脂肪酸発生が発生する恐れがあるので注意してください。)
お菓子作り・炒め物・揚げ物(200℃以下)・天ぷら・ドレッシングなど

2-6. うんちく

綿実油のうんちくのテーマとしては大きく2つあり、遺伝子組み換え環境ホルモンというキーワードがあげられます。

原材料である綿には強烈な環境ホルモンである「ゴシポール」が含まれています。
このゴシポールは精巣毒として働く作用が認められており、精子を減らす→その結果不妊を招くと言われています。その他にも「心不全や溶血性貧血を引き起こす」といった危険性もあるそうです。中国では男性用の経口避妊薬(男性版のピル)として用いられる事もあるようです。驚きですよね。

ちなみに2015年の綿実油の生産量4,900,000トンの内、中国とインドでおよそ半分の2,600,000トンを生産しています。両方共に人口が爆発的に多い国ですよね。そう思うと、国があえてこれ以上人口を増やさない為に綿実油の使用を推奨しているのでは?と勘ぐってしまいますね。人類の繁殖力に幸あれ!

また、綿種子の絞り粕は他の油糧種子と同じように家畜の飼料に使われますが、最近EU(欧州連合)では上記の懸念から畜産としての飼料に綿実を除外する動きがあるようです。※繁殖できなくなるため。

ただ、サラダ油として販売されている日本の綿実油は精製されているので、ゴシポール含有の危険は低いでしょう。しかし、ゴシポールを取り除く過程で大量のアルカリ処理が施されているため、油にアルカリの臭いが残留してしまいます。今度はその臭いを取るため、油を200℃以上の高温に熱せなければいけないのです。

油は(その種類によりますが)200℃以上になると、栄養成分が減っていき、有害なトランス脂肪酸をつくり出す性質があります。トランス脂肪酸は心臓病やがんのリスクを高めるとして、危険視される有害物質です。(融点(固体から液体になる温度)が亜麻仁油-14℃に対して、ココナッツオイルは26℃なので40℃の差があるように、各植物油の有害物質を作り出す臨界点には差があります)

有毒なゴシポールが取り除かれても、今度はトランス脂肪酸という別の危険性が出てきてしまうのです。そのため未精製の綿実油が危険なだけでなく、精製されている綿実油も危険なのです。

薬品を使用せずに精製をおこなう方法もありますが、そうなると今度はゴシポールが完全に除去されるかが不明であり、流通する綿実油の多くは薬品を使用して精製されています。

次に、遺伝子組み換えですが、綿は遺伝子組換え品種が多数開発され、遺伝子組換え品種の栽培面積が近年、急激に広がっています。

2003年度においては世界の綿の総栽培面積のうち21%が遺伝子組み換え綿であったにすぎなかったのですが、2012年度においては81%となっています。アメリカにおいては、2009年度の遺伝子組み換え綿の栽培面積は88%となっており、2010年度では、93%と広がっています。中国では、2003年度は58%が遺伝子組み換え物で、2009年度は60%となりました。インドでは、2008年度のワタの栽培面積の76%遺伝子組み換えとなりました。

このように世界の綿実油生産のTOP3である、中国・インド・アメリカの3カ国の綿栽培に関しては大半が遺伝子組み換え品種であるというのがわかりますね。日本も現在、(おそらくアメリカの圧力に負けて)綿実の遺伝子組み換え品種は一定の要件をクリアすると輸入可能となっています。
※現在日本で輸入が許可されている遺伝子組換え作物は下記の8種類です。
※大豆、とうもろこし、ばれいしょ(じゃがいも)、菜種、綿実、アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)、てんさい、パパイヤ

なので、ここまで紹介してきた綿実油の特徴をまとめると、

綿実油の良い点

  • 風味が良く、美味しい!料理との相性が良い!
  • 酸化に強いので、高温の料理にも使いやすい!
  • 同じく酸化に強いので、きちんと保存をすればまあまあ日持ちする!
  • 値段もまずまず手頃!

綿実油の怖い点

  • そもそも商品数が少ない(選べない)
  • 遺伝子組み換えものに注意!
  • リノール酸が多いので、摂り過ぎには厳重注意!
  • 有害ホルモンを除去する為、精製後の栄養分減少やトランス脂肪酸の発生が懸念される

というように積極的に摂りたい油ではないかもしれませんね。価格高騰だけではなく、健康志向が強まる日本での供給量が下がっている理由もわかるような気がします。

たまの外食であればそんなに気にする必要はないと思いますが、普段使いには注意していきたいですね。

3. 綿実油のおすすめ商品情報

炒め物料理1回に必要な油量を大さじ一杯(15ml=13.5g)という前提。

岡村製油㈱ ダイヤモンドGブランド 圧搾製法一番搾り綿実油(品目:食用綿実油)
内容量/
酸化する前に
使い切る
400g
購入価格/
購入し易さ
583円(税込)
単価/コスパ
(13.5gあたり)
19円
原材料/安全性 食用綿実油
抽出・精製方法/
安全性
圧搾法・一番搾り
容器/
安全性・保存性
プラスチック容器
総合評価 ★★★☆☆

1892年の創業から「綿」にまつわる事業を続けてこられている岡村製油さんは数少ない国内生産の綿実油メーカーさんです。
基本的には業務用として卸しているのがメインの事業らしいですが、一部一般家庭用も販売しています。★3つは少し甘い気もしますが、綿実油自体がほとんど一般的には販売されていないのでその希少性も加味しています。

メーカーHPより抜粋
私たち、岡村製油は「わたの種子」である綿実を搾り続けて百二十年余りになります。菜種や大豆、胡麻など食用油の原料は他にも数多くありますが、私たちは綿実にこだわってきました。なぜなのか?その答えの一つは綿実が事業の始まりだったからです。

この綿実油は加熱しても油っぽいにおいがなく、調理したものは冷めても比較的おいしく食べることが出来ます。(べちゃっとした感じは少ないです)
一度綿実油で揚げ物をしてみたい!という油マニアの皆さんにご紹介させて頂きます。

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