【大昔より愛され続けている奇跡のオイル】ココナッツオイルの基礎知識

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. ココナッツオイルの紹介

ココナッツオイルイメージ
早速ですが、皆さんは「ココナッツオイル」というとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
私は「お菓子的なもの」とか「リゾート的なもの」というイメージがありました。

というのも、どうしても「ココナッツ」というとジュースのイメージが強く、(以下画像)どうしても「そんなに身近なものではない」というのが正直な感想でした。

ココナッツジュース

しかし、「ココナッツオイル」の歴史は古く、熱帯地方(東南アジアやポリネシア地域)では数千年前からココナッツを原料とした植物油が使用されていたそうです。(ココナッツは油分が33%と豊富なため油の抽出が比較的容易なため、道具の発達してない時代でも搾油が出来た)

また近年の研究により様々な効果・効能が発見され、「奇跡のオイル」と呼ばれるようになり、世界でもその需要は右肩上がりです。日本でも最近はちょっと品揃えの良いスーパーに行くと必ずと言っていいほど陳列されていますし、インターネットなどでも容易に様々な種類が手に入るようになりました。

ただし、油・脂あるあるなのですが、人気になればなるほど偽物が多く出回りがちで、本物のふりをしたココナッツオイルで溢れかえっているのも事実です。

そこで、本記事ではそんなあまり日本では知られていない「ココナッツオイル」に焦点を当てて紹介していこうと思います。

2. ココナッツオイルの基本情報

2-1. 日本の「年間供給量」

ココナッツオイルの供給量
参照:2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」

ココナッツオイル供給量:43,000トン(日本の植物油では9位の供給量)
普段あまり目にしないだけで供給量は意外に多く「オリーブオイル/58,000トン」や「ごま油/52,000トン」と大きな差はありません。
※2015年 農林水産省「油糧生産実績調査」 財務省「通関統計」
※国内生産が0トン、海外からの輸入が43,000トン。全てを国外からの輸入に依存している油です。

2-2. 含有脂肪酸

ココナッツオイルの含有脂肪酸としては、飽和脂肪酸/92.0%・オレイン酸/6.0%・リノール酸/2.0%となっており、他の油・脂に類を見ないような脂肪酸構成になっています。

ココナッツオイル脂肪酸構成
参考:日本油脂検査協会

これがどのくらい珍しいのかは、他の油・脂を例に出して比較してみるとわかりやすいので、以下に飽和脂肪酸の多い油・脂の代表例よく使う植物油の代表例として3種類ずつ紹介してみました。

飽和脂肪酸の多い油脂代表例
参考:日本油脂検査協会

バターやラードなどの動物性油脂などは右側の植物油と比較すると圧倒的に飽和脂肪酸が多く含まれている事がわかります。逆に、植物油には飽和脂肪酸はほとんど含まれておらず、メインはオレイン酸(オメガ9脂肪酸)リノール酸(オメガ6脂肪酸)だという事もわかります。

これにより脂肪酸の飽和度が異なるため、温度による形状(個体か液体か?)が異なります。という話は他の記事でもしていますので、そちらをご覧いただければと思いますが、上記の情報からココナッツオイルの飽和脂肪酸/92%というのがいかに他に類を見ない値なのか。という事がおわかりいただけると思います。

関連記事油の種類で変わる脂肪酸って何?飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは?脂肪酸の分類解説

2-3. 抽出・製造方法

次にココナッツオイルの「製造方法」について語っていきたいと思います。
ココナッツオイルには様々な製造方法があり、それにより最終的な品質・見た目・味・香りが異なってきます

ココナッツオイルは大きく2つのカテゴリに分類されます。
RBD(精製・脱色・脱臭の加工済)バージンの2カテゴリです。

RDBココナッツオイルは通常、コプラと呼ばれるココナッツの果実の胚乳(白い部分)を乾燥したものから作ります。コプラはココナッツを天日に干したりして作ります。

コブラ

このコプラを圧搾・搾油して取った原料を精製して作れられます。なので精製・脱色・脱臭の加工済いう略称のRDB/精製ココナッツオイルと呼ばれています
※ピュアココナッツオイルとか圧搾法を使用などと書いてあっても注意が必要です。ちゃんと製造過程がわかるものを選びましょう!

化粧品業界や食品業界(ホイップクリームやコーヒーフレッシュ、ラクトアイスの原料などなど)が使うのは、コプラから作ったココナッツオイルが一般的です。

ただ、RDBココナッツオイルと言っても、他の植物油とは異なり、製造過程で高温に熱せられ、化学溶剤が使われても、ココナッツオイルに含まれる脂肪酸は生成過程で痛むことが少ないので他の植物油に比べたらまあ許せる範囲だと思っています。

逆に、RDBココナッツオイルは無味で香りもないので、肌に塗っても匂いが残りません。よって、ボディケアやヘアケアにこのタイプを好む人は多いですし、調理にもココナッツの独特の香りがうつらないので使える料理の幅は広がります。悪いことばかりではないのですね。

一方、バージンココナッツオイルは、コプラからではなく生のココナッツから作られます。生のココナッツの果実の胚乳(白い部分)を「そのまま粉砕」してオイルの抽出作業に入るのですが、オイルの抽出方法は「煮沸、発酵、冷却、機械プレス、遠心分離機」を使うなど色々とあります。その中でもあまり高温に熱せず、化学溶剤を使わずに抽出されたものこそが、本物のココナッツオイルのという訳なのです。
※詳しくは下部のうんちくコーナーにて

2-4. 特徴と酸化

次にココナッツオイルの特徴をいくつか紹介していきます。

①温度により形状が異なる

ココナッツオイルは外気温によりその形状が変化していきます。

ココナッツオイル性状変化

日本のように四季で大きく気温が異なる国では同じココナッツオイルでも、その見た目には大きな変化があるという事ですね。ちなみに匂いや味にはほとんど違いはありません。

私は(真夏以外)ココナッツオイルのビンはそのままリビングに置いていて、紅茶やトーストにさっと入れたり塗ったりしています。冷蔵庫に入れるとちょっと固形のものを削り取るのが面倒なのですよね

②大さじ1杯(14g)で中鎖脂肪酸を8.4gも摂取可能!

中鎖脂肪酸の効能や凄さに関しては以下の記事をご覧頂きたいのですが、スプーン大さじ1杯で焼く8.4gも中鎖脂肪酸を摂取出来るのはココナッツオイルの大きな魅力ですね。

関連記事最近話題の【中鎖脂肪酸/MCTオイル】あなたはその本当の効果を知っていますか?

中鎖脂肪酸が一番栄養が必要な赤ん坊への母乳や粉ミルクに配合される理由がわります!

③酸化にとても強い!

構成脂肪酸のほとんどが飽和脂肪酸のため、酸化にとても強く、冷蔵庫で3年程度の保存が可能です。一ビン(250~500g程度)を買っておけば、相当長持ちするのでちょっとした飲み物や食べ物のアクセントに最適ですよ。

2-5. 推奨使用方法、耐熱温度

高温の料理にも使用可能な油として「180℃」前後までは耐えられますが、それを超えると発煙の危険性があるので、揚げ物などで使用する際には高温で放置するのはやめましょう。カレーに少し入れたり、魚介類の炒めもの、ヨーグルトに入れたりなどがオススメです!個人的には肉よりも魚や乳製品の方が相性が良いように思います。

2-6. うんちく

①製造方法についてのうんちく!

先程、「①乾燥させたココナッツからつくるか?②生のココナッツからつくるか?」の2種類の製造方法を紹介しましたが、実はさらにそこからもう一段掘り下げて製造方法を分類すると、生ココナッツを「スクリュープレスしてココナッツミルクを作り」→「それを遠心分離してココナッツクリームを作り」→「それを加熱して」→「ろ過する」という「ウェット製法」というパターンと、もう一つ生ココナッツを「低温乾燥→圧搾一番搾り→ろ過」という「ドライ製法」という工程があり、どちらもバージンココナッツオイルという分類となりますが、あきらかに後者の「ドライ製法」こそが(エキストラ)バージンココナッツオイルであると言えるでしょう。本物のココナッツオイルは軽く乾燥させて絞ってろ過するだけなので、天然の植生化学物質(植物に由来する化学物質)がそのまま残り、それ故にココナッツ特有の味と香りがするという訳なのです。是非、家庭に置くのはこれにしたいですね。

②ココナッツオイルのイメージについてのうんちく

近年、日本でも中鎖脂肪酸が話題となり、それを多く含むココナッツオイルが注目されていますが、以前はアメリカを中心に「健康に良くない油」として取り上げられた時期もありました。日本でも「飽和脂肪酸」というのは動脈や心臓に良くない。選ぶならサラサラの植物油(大豆や菜種)のブレンドであるサラダ油を選ぶほうが健康に良い。飽和脂肪酸の多いバターよりもマーガリンの方が健康に良い。という誤認をしていた時期がありました。

確かに、飽和脂肪酸は取りすぎると、その分解のしづらさから動脈や心臓に負担をかけてしまいます。ただし、それはあくまでも「飽和脂肪酸/長鎖脂肪酸」であり、ココナッツオイルはその飽和脂肪酸の70%が中鎖脂肪酸(カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸)なので、体内で早急にエネルギーとなり消化されていきます。

よって避けるべきは肉や乳製品や植物油に含まれる「長鎖脂肪酸の飽和脂肪酸/パルチミン酸、ステアリン酸」であり、同じ飽和脂肪酸でも「カプリル・カプリン・ラウリン酸という中鎖脂肪酸」はむしろ消化のエネルギーを促し、身体に優しい効率的なエネルギーの為、粉ミルクや入院患者の食事などにも配合されているという訳なのです。

飽和脂肪酸の炭素原子数による分類

関連記事最近話題の【中鎖脂肪酸/MCTオイル】あなたはその本当の効果を知っていますか?

関連記事油の種類で変わる脂肪酸って何?飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは?脂肪酸の分類解説

こちらの記事などもご覧頂きたいのですが、「飽和脂肪酸は飽和脂肪酸であり、飽和脂肪酸は取り過ぎると身体に負担がかかる」という事は知らない人からしたら間違っていないことは伝えられているのですが、正確な事は伝わっていないのです。もしかすると私達が持っている「ココナッツオイル/飽和脂肪酸=太りやすく、身体に負担がかかる油・脂」に対するイメージというのは「知らない人をイメージ操作する」という企業のマーケティングの賜物によるものかもしれません。

スポンサーリンク
error: Content is protected !!