油の種類で変わる脂肪酸って何?飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは?脂肪酸の分類解説

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. そもそも油なのに脂肪酸ってどういう事??

油(脂)なのに何で脂肪酸という名称になるかと言うを説明します。

ざっくり言うと、油(脂)は経口摂取すると小腸から肝臓へ行き、そこで脂肪酸へと変化して体内でエネルギー候補として脂肪組織へ蓄積します。

血中に分泌された脂肪酸は、アルブミンと結合した状態で体内を循環し、各組織に取り込まれます。

脂肪酸は、細胞内のミトコンドリアで、酸素を用いて二酸化炭素と水にまで完全に分解(すなわち酸化)されることにより、大きなエネルギーを放出します。

心臓、肝臓、骨格筋などが、脂肪酸を特に多く消費する器官です。

すべての脂肪酸は主に炭素原子に異なった数の水素原子が結合して鎖状になったもので構成されています。

脂肪酸は、飽和度が高く(二重結合の部分が少なく)、炭素数が長いほど、脂肪は固くて融点は高くなります。
1個の炭素原子には最大2個の水素原子が結合できます。炭素原子に2個の水素原子が結合した脂肪酸分子は、結合が可能な最大数の水素が結合しているいるので、水素で「飽和」していることから飽和脂肪酸と呼ばれます。これより水素原子が1組少ない脂肪酸を一価不飽和脂肪酸と呼び、水素原子が2組以上少なければ、多価不飽和脂肪酸と呼ばれます。

結合している水素が少なければ少ないほど、その脂肪は不飽和度が高くなります。

1組の水素原子がかけていると、隣り合う炭素原子同士が二重結合しなれければならなくなり、炭素に弱連結が出来て酸化がしやすくなるのです。

※よって、オメガ3脂肪酸>オメガ6脂肪酸>オメガ9脂肪酸>飽和脂肪酸の順で酸化しやすくなりますので、その油の各脂肪酸の含有量が保存に対して重要な要素になります。
※人工的なトランス脂肪酸はこれにはまったく当てはまりません。

2. 油・脂の種類よって脂肪酸の含有量が全然違う

油(脂)に沢山の種類がある事は、このサイトでも紹介してますし、それ以前に皆さんもご存じの事と思います

市販油コーナーにはたくさんの種類があります。

しかし、油(脂)の種類で脂肪酸の種類(含有量)もかなり異なります。その脂肪酸の種類こそが重要なのです!

最初になのですが、油(脂)はジュースではないので、○○脂肪酸100%という事はありません。いろいろな脂肪酸が様々な割合で配合されています。

様々な油(脂)の各脂肪酸比率(分析例:%)

3. 脂肪酸のカテゴリわけ

飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸 トランス脂肪酸
一価不飽和脂肪酸
(オメガ9脂肪酸)
多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)
(オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸)
長鎖脂肪酸 パルチミン酸
(牛脂・ラードなど)
オレイン酸
(オリーブ油など)
リノール酸
(紅花油、ごま油、大豆油など)
リノレン酸
(亜麻仁油・えごま油・魚油等)
─※
中鎖脂肪酸 カプリル酸
(ココナッツ油など)
─※ ─※ ─※
短鎖脂肪酸 酪酸・酢酸
(バター、酢)
─※ ─※ ─※
()は代表的な脂肪名、その脂肪が多く含まれる商品を記載
※は天然にはほとんど存在しない

油(脂)の脂肪酸はまず
①飽和脂肪酸
②不飽和脂肪酸
③トランス脂肪酸
の大カテゴリで3種類だと思ってください。
※上記の表の横軸がそれに該当します。

この内でも②の不飽和脂肪酸は主に3種類に分別できます。
Ⅰオメガ3脂肪酸(リノレン酸) →必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)
Ⅱオメガ6脂肪酸(リノール酸) →必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)
Ⅲオメガ9脂肪酸(オレイン酸) →体内で合成可能な脂肪酸

という事で計①~③とⅠ~Ⅲの簡単な紹介をしていきます。

4. 油の種類と○○○脂肪酸のひもづけ

①飽和脂肪酸
・主に動物性脂 (ココナッツ・パーム等例外あり)
※牛肉や豚肉の脂身はまさにこれ。体内でブドウ糖等から精製可能
・常温で固体のものが多い
・摂り過ぎは良くないが、必要なので避けなくとも良い。
・飽和脂肪酸の中でも構成している炭素数/Cの数によって長鎖・中鎖・短鎖に分類される。

脂肪酸の構造イメージ図

②不飽和脂肪酸
・常温では液体のもの。なのでさんずいの「油」
・一般にスーパーで売っている植物油(サラダ油)はいわゆるここにあたる。
・水素が抜け落ちており、飽和していない事からこのような名称となっています。

オメガ9の構造イメージ図一価不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸/一価不飽和脂肪酸/オレイン酸/オメガ9(ω9)

オメガ6脂肪酸の構造イメージ図

不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸/リノール酸/オメガ6(ω6)

オメガ3脂肪酸の構造イメージ図

不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸/リノレン酸/オメガ3(ω3)

③トランス脂肪酸
・サラダ油をベースに人工的に精製されたもの。
・水素を人工的に添加して、片方の水素が反対の方向に移動(トランス)したもの。

トランス脂肪酸の構造イメージ図

・液体の植物油(上の②:不飽和脂肪酸の図を参照してください)を固形にするために水素の穴を人工的に埋めて固定化したもの。(無理やり炭素の鎖と結合をさせている)
・出来上がったマーガリンショートニングの硬さやトランス脂肪酸の含有量は、水素の添加量で変わります。たくさん水素を添加すると穴が沢山埋まるので硬く、少しだけの添加(部分添加)であると液体に近い伸びの良いマーガリンが出来上がります。
・現在売られているマーガリンのほとんどがこの部分添加によるもので、こうして固体になった油(硬化油)に乳化剤と水を加えた後、急冷すると店頭に並ぶマーガリンの出来上がりです。

5. 炭素原子数による脂肪酸の分類

 ここからはさらに複雑になりますが、上記の分類が炭素原子と水素の結合状況によって分類されるとすると、その炭素原子数の違いによってもう一回分類されていきます。

飽和・不飽和にかかわらず、それぞれの脂肪酸は体に対して異なる作用を持っています。

各脂肪酸の炭素原子と二重結合数

上記の「脂肪酸構造イメージ図」はC18なので、それぞれ、ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸をベースに作成していますが、同じ不飽和脂肪酸(二重結合ゼロ)でもC(炭素原子数)が8、12カプリル酸・ラウリン酸を多く含むのがココナッツオイルであって、90%が飽和脂肪酸であり、さらに、そのうちカプリル酸・ラウリン酸が約60%と実に中鎖脂肪酸が50%を超えるという非常に珍しい脂肪酸の構成になっています。(ただし、逆に言うと残りの40%は長鎖脂肪酸のパルチミン酸やステアリン酸であり、その含有割合は他に飽和脂肪酸の多いバターやラードと変わらない構成になっています)。

6. まとめ

いかがでしょうか?

ちょっと難しい図が多かったかもしれませんが、油(脂)といっても一口では分類できないという事をご理解いただけたら良かったと思います。
(いろいろな油があり、その構成する脂肪酸も様々である為)

もちろん、どんな油(脂)でも取りすぎれば毒になりますが、人間の生命維持に欠かせない油(脂)の種類を知るということはとっても面白いので、あなたの家にある油がどのカテゴリに入るのか?是非他の記事と併せてご覧ください。

スポンサーリンク
error: Content is protected !!