知るとビックリ!お手頃価格で手に入る植物油の製造方法

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 昔の油の作り方

昔は食用に限らずは、種実類(かたい皮や殻に包まれた食用の果実、種子の総称)、ナッツ類、果実類(アボガドやぶどうの種)などから石臼石などの重みを利用した天然の圧搾機を使うなどの人力&単純作業で搾り取るものでした。
※世界各国で植物油の歴史は古く、その搾油方法も様々ありましたが手間暇をかけて抽出していました。

油を搾る石臼

なので、油は「一度にたくさん取れない貴重なもの」・「すぐに使わないと悪くなってしまうもの」として認識され、取り扱われ、なるべく新しいうちに使い、光を通さない陶器などに入れて冷暗所で保存をされていたようです。(蔵とかに入れてあったそうです。)

まだ、冷蔵庫がない時代には油は貴重品かつ、「生もの」でありました。

昔は石臼だけでなく、このような木材に原料を入れ油を搾っていたようです。

昔の油搾る機械

現在でも、スローフード思考の方は家庭で油を圧搾する事もあるようで、アマゾンさんでは
しっかりと販売されています。

アマゾンリンク油絞り器

よく魚や野菜は鮮度だという話は耳にしますが、油こそ鮮度が命なのです。

2. 現代の一般的な油の製造方法まとめ

現在スーパーやコンビニなどで売られているサラダ油のほとんどは、こんな手間ひまかけてつくっているわけ無いのは皆さんも想像に難くないでしょう。

市販油のコーナー、大量に並んでいます

大量の油がズラリと明るい店内で並んでいますね。

多くの油のラベルやCMのうたい文句に「ピュア、フレッシュ~」という言葉を使っていかにも自然で健康そうな印象ですが、実は科学溶剤を使用した溶剤抽出法という本来の油の精製法とはかけ離れた作り方をしているケースが多いのが実情です。

現在、主にもちいられている油の抽出方法としては

①低温圧搾法(コールドプレス)
その名の通り、油の原材料(種子や実)を選別してからあまり熱を加えずに圧搾します。昔ながらのこの手法が一番安全であり、植物の有効成分が損なわれずに残ったまま油となります。
ただし、①の手法だと材料の油分の全てを取ることは難しく、(菜種は油分が40%大豆は20%米ぬかは15%コーンは胚芽の5%程度とそんなに油分は多くないため)、より効率よく油を取るために以下の2点の抽出方法があります。

②高温圧搾法
こちらも①と同じように原材料を搾って油を取るということは変わらないのですが、より油が搾りやすいように原材料の種子等を粉砕してから加熱処理をして圧搾をします。

この手法だと、

  • 樹脂等の不純物が混じる
  • 色が濃くて、匂いもキツイため精製工程が必要となる。※詳細は下部に記載。
  • 熱処理により有害物質やトランス脂肪酸が生じる。※詳細は下部に記載。

というデメリットはあるのですが、同じ量の原材料からより効率的に搾油するために用いられています。

③溶剤抽出法
この手法が一番危険です。①や②で搾った一番搾りのカスからおかわりで搾油するために多く用いられます。(一番搾りの残りカスにはまだ沢山の油分が含まれているため)

その為に、特殊な溶剤を使い(油を溶け出しやすくするため)、かなりの高温(溶剤を気化させるため)で処理し、様々な薬品で精製加工(商品として見た目等を整えるため)をして製品を完成させていきます。
※詳細は下部に記載。

なので、植物油は低温圧搾法一番搾り精製なしというのを条件に選びたいですね。
※確かに、自宅で機材を使って搾った油は上記の条件になりますからね。

3. 知るとビックリ!精油メーカーの製造工程について

では、次に③の溶剤抽出法での油の製造詳細を紹介します。

⑴.大量に入荷した、油の原料になる植物の種(菜種等)、木の実、大豆などを大型タンク内で 洗浄し、外皮を取り除きます。

⑵.洗って皮を剥いた原料を細かくフレーク状にして、溶剤を添加します。
この溶剤は「ヘキサン」や「ヘプタン」と呼ばれる石油系の物質です。
そのガソリンのような油をフレーク状にした食用油の素材に混ぜ合わせ、熱して撹拌(かき混ぜて)して材料から根こそぎ油分を溶かし出します

⑶.その後、さらに高温にして(200℃程度)有害な科学物質である石油系の溶剤を気化させます。
※この際に100%気化せず溶剤が残るという事はメーカーさんと研究者さんで意見が別れている点です。すいません。自分には荷が勝ちすぎる問いです。ただし、残っている可能性は当然にしてあります。一度入れたものを100%取り除くのは至難の業では?と思っているからです。

↑~ここまでが原材料から油を取り出す作業です~↑

↓~ここからが油を精製していく作業です~↓

⑷.まずは不純物を遠心分離機で取り除きます。(この際に栄養素のリン脂質が失われます)

⑸.取り出した油分には遊離脂肪差が多く含まれます。これが含まれたままだと苦味があったり、腐りやすかったりするため、これを取り除く作業が必要となります。苛性ソーダリン酸を加えて遊離脂肪酸を中和させます。(これが脱酸という工程です。)
ただし、この際に油分に含まれるレシチンや食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄分などの体にとって大切な栄養素も同時に取り除かれてしまいます。
これらの栄養素は長期保存する為には邪魔な成分なのでそれはそれでOKなのです。

⑹.その後、化学脱色剤などを使い脱色をします。
※油は原材料によりますが、溶剤抽出法や高温圧搾法で搾った油は黒だったり濃い茶色だったり結構色はグロテスクです。私達が認識している植物油とは結構違いがあります。よってその色素吸着の為に活性炭などを使用し色を取ります。
※この段階でβカロテンやビタミンE等と共に、素材の香りまでも取り除かれてしまいます

⑺.そして最後に、これまで高温下での激しい行程で発生した脂肪酸の劣化臭を取り除くために、約200度以上の高温で長時間熱して脱臭し、(他には塩化亜鉛を使用しての脱臭)更に商品としての見栄えを良くするための酸化防止剤や着色料などを添加して商品の完成です!

※この溶け出させるための溶剤を気化させたり、高温で脱臭する工程で有害なトランス脂肪酸を生み出します。なぜなら、植物油に多く含まれるリノール酸は150度を超えると分子構造が突然変異を起こし、180度を超えるとトランス脂肪酸へと変貌し、さらに200度を超えるとトランス脂肪酸が連鎖するように急激に増加してしまうからです。

4. 製造工程からみた油の選び方

このように製造・高精製された油は体にとって有害であるのはもういうまでもないですね。

サラダ油のラベルの表示に「植物性油脂」・「食用精製加工油脂」・「食用植物油」と書かれているものは、溶剤抽出法でつくられているものが多いので注意が必要です。

※まあ、これは値段なりと思ってもらって良いでしょう。人の手間をかけずに機械で大量生産できるからあの値段(1L以上/300円程度)で販売できる。というのは子供でもわかる単純な理屈ですからね。

では、どのような油を選ぶべきなのでしょうか?

是非、普段の家庭に置いておきたいのはラベルの表示にコールドプレス(低音圧搾)と書かれているものです。

コールドプレスとは上段でも軽く紹介しましたが、40℃以上の熱を加えずに原料を搾って油を抽出し、そのままビン詰めにしたシンプルな作り方のことです。
※国によっては少し温度に違いはあるようですが、70℃以上にはならないようです。

もちろん、コールドプレスと書いてあっても注意が必要ですが(その後の精製方法等)、昔ながらの方法で抽出した搾りたてのフレッシュな油(一番搾り)は栄養豊富で一番安全という事は間違いありませんね。

※ちなみに、食用油としても人気が高く、最近日本での消費量がうなぎのぼり、ω9(オレイン酸)を多く含むオリーブオイルですが、昔ながらのコールドプレスで製造されたものはエクストラバージン・オリーブオイルと呼びます。

オリーブオイルの各脂肪酸比率

最近では、オリーブオイルの人気に便乗して大量生産するので通常のサラダ油と同様のヘキサンを使用して製造しているものも多く、それらは品質も悪いため安価なものには注意したいですね。

ちなみに、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸150度以上に加熱すると、その健康効果が失われていくだけではなく、サラダ油と同様に有害物質であるトランス脂肪酸を生成しますので注意が必要です。

オリーブオイルで揚げ物などの時間がかかる高温料理を避けるのはその為なのです。

大量生産が出来ず、手間がかかるので割高にはなりますが、むしろ本来は生鮮食品である植物油が安価かつ、簡単に手に入ることが異常である。
と考えていただきたいです。貴重な油を少量だけ用いるような食生活を送れば、それが体にとってベストなので!

なお、商品を長持ちさせるために、コールドプレスで抽出した油をさらに脱酸脱臭脱色してボトル詰めしたものがあります。
これは「放出性圧縮油」と言いますが、これでは意味が無い事は最後に付け加えておきます。

5. まとめ

いかがでしょうか?
スーパーやコンビニでズラリと並んでいる食用油ですが、購入前に是非手にとってその製造方法をよく見てみてください。

安く簡単に手に入るにはやはり理由があるのです。

大量生産×長期保存=企業利益

仮に、その油による害が何年後かに出たとしても、食べた際に死ぬor食中毒にならなければ良い。消費者には嘘は言わないけど、すぐに影響がないならば、言う必要はない。知らないほうが悪い。

知れば知る程、知らないという事がいかに怖い事なのか
という事がわかりますね。しっかり知識をつけていい油で毎日を健康に過ごしましょう

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