コレステロールとは何者?その役割と油(脂)との関係性

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. コレステロールとは?その役割は?

コレステロールとは何か?

一言で言うと脂質です。

脂質とは①脂肪酸②リン脂質③ステロール(コレステロールを含む)で構成されております。
一般的に天然の脂質は約95%以上が様々な種類の①の脂肪酸で構成されており(脂肪酸の種類は様々なものが組み合わさって)、その他に②リン脂質と③ステロールで構成されています。
※脂肪酸の種類が気になる方はこちらもご覧ください。

関連記事油の種類で変わる【脂肪酸】って何?飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はどんな違いがあるの?

糖質がグリコーゲンとなり血管を通じて体の各所へいくように、ビタミンが血管を通じて体の各所で働くように、コレステロールにも重要な働きがあります。

本来、コレステロールそのものはまったく悪者ではありません
コレステロールは、先程も紹介した同じ脂質の仲間であるリン脂質と共に細胞膜を構成し、細胞内部にさまざまな物質が出入りするのを調整するという非常に重要な役割があります。

脳や神経の細胞膜にも当然使われていて、脳から体の各所への情報伝達に重要な役割を果たしています。
コレステロールは性に関するホルモンや糖質代謝を助けるホルモンや、細胞内部の水分調節にかかわるホルモンの材料などとしても使われています。

また、一部のコレステロールは肝臓内で胆汁に作り替えられ小腸内で脂肪を乳化して消化・吸収しやすくしたり、脂溶性ビタミンA、D、E、Kなどの吸収にも大切な働きをします。

現在の日本でサラダ油がこれほどまでに普及したのは、「コレステロール値を下げ、動脈が硬くなる事を予防する効果がある」と思い込まれていたためです。

ところが、そのサラダ油こそ動脈を硬くしてしまう事を促進する真の原因なのでは?と近年では考えられるようになりました。

動脈が硬くなって血の流れがスムーズにならなくなった結果、その内側にゴミが溜まってかさぶたのようなこぶができます。

これにより、血管内が狭くなります。また、こぶが壊れればそれは血液中を漂い、詰まることがあります。心臓や脳で起こると非常に大きなトラブルとなります。

硬く、傷ついた血管の状態だと、日々の食生活で摂取するリノール酸(主に植物油)から作られるアラキドン酸炎症起こすことによって起こります。

炎症によって活性酸素が大量に発生すると、血液中のコレステロール(いわゆるLDLコレステロール)を酸化させてしまうのです。

LDLは、コレステロールや脂肪を乗せて運ぶいわば運び屋です

そのLDLが傷ついた血管の細胞を修復するために、エネルギー源としての脂肪とコレステロールを運ぶ訳なのですが、活性酸素の攻撃を受けて酸化せられると何の役にも立たなゴミのような物質になってしまいます。

すると、細胞の掃除屋と言われるマクロファージがそのゴミを血管壁に取り込んで結果として、盛り上がったこぶを形成することになります。

血液中のコレステロールが多いと、その分酸化コレステロール数も増えるだろう。だからコレステロールを多くしてはいけないという考えは間違いです。

アラキドン酸による炎症さえなければ、コレステロールが酸化してマクロファージに取り込まれることはありません。アラキドン酸による炎症からの活性酸素の攻撃こそが悪者であり、LDL自体は仕事人?なのです。

2. コレステロールの摂取(生産)方法と体内での動き方

コレステロール摂取方法は、

  1. 食事で摂取する
  2. 体内(肝臓)で合成する

の2パターンです。

コレステロールの摂取方法

肝臓で生産されるコレステロール量は、食事で摂るコレステロール量によって変わりますが、一般に食事で摂取する量の約3倍に相当すると考えられています。

コレステロールは経口摂取より体内での生成の方が多いのです。

肝臓は小腸から吸収されたコレステロールが血液中に運ばれると、それを察知して生産量を抑制します。

逆に、外から入ってくるコレステロール量が少なくなると、今度は合成を促進します。

では、食事で撮ったコレステロールはどのように体内に運ばれるのでしょうか?血液と脂肪は水と油の関係なので、そのままではコレステロールは血液に溶け込みません。

そこで、タンパク質と結合させて血液中に運びます。これをリポタンパク質と言います。(リポは脂質という意味です)。

リポタンパク質は、コレステロールなどの水に溶けない脂質を臓器から臓器へと運ぶ、運び屋の役割をしています。

リポタンパク質にはいくつか種類がありますが、特に大切なものに

  • LDLコレステロール(悪玉コレステロールと言われている)
  • HDLコレステロール(善玉コレステロールと言われている)

の二つがあります。

この二つのコレステロールは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
健康診断の項目にもありますよね。

体内に運ばれたLDLコレステロールは、細胞の表面に到着すると、専用の入り口( LDL受容体)から細胞内に入ります。そして、細胞内で分解されそのまま細胞膜に取り込まれて使われたり、細胞内で蓄えられたりします
そして、細胞で使用済みとなったコレステロールは細胞膜の表面に出ていきます。

もう一方のHDLコレステロールは、LDLコレステロールのように細胞膜には入れません。そこで血液中を再び移動していくのですが、その時 HDLコレステロールは使用済みとなったコレステロールを回収しながら再び肝臓に戻るという働きをしています。

つまり、HDLコレステロールとLDLコレステロールの二つともに私たちの体には必要なものであり、この二つのバランスを保つことが大変重要なのです。

3. コレステロールのバランスが悪いと起こってしまう問題

ところが、悪い油を常に摂取していると肝臓にダメージを与えてしまいます。

体内のコレステロール合成量を調整する機能を崩してしまいます。
それによってHDLコレステロール/善玉コレステロールが減り、LDLコレステロール/悪玉コレステロールが過剰生産され、血液中のコレステロール均衡が崩れてしまいます。

過剰となったLDLコレステロールは、血管壁にくっついてたまりやすくなります。くっついたまま放っておくと、やがて酸化してしまいます。

すると白血球の一つであるマイクロファージがやってきて掃除します。
LDLコレステロールを動脈壁内部に引き込んで消去していくのです

動脈硬化イメージ図

ところが、この時の残骸がたまっていき血管の通り道が狭くなることで動脈が硬くなる事が進行して、最終的に心臓や脳への様々なリスクを高めることになってしまうのです。

痩せ型でも「コレステロール値がおかしい」というのはよく聞く話ですが、コレステロール=デブの元という事ではないというのをわかってもらえたらと思います。
(もちろん、食生活の乱れが原因になるので、体型が崩れているケースが多いのでは事実ですが)。

4. アメリカ・オランダでの研究・調査

アメリカで行われた研究データでは、8万人もの女性の被験者を対象に調査を行ったところ、トランス脂肪酸を最も多く摂取するグループは最も少ないグループに比べて、心臓トラブルを起こす危険性が約30%も高いことが示されました。

オランダで行われた調査発表によると、488人の女性と27人の男性をそれぞれ3つのグループに分けて、それぞれ、
①オリーブオイルの多い食事」
②「動物性脂肪の多い食事」
③「トランス脂肪酸の多い食事」
を3週間続けた所、③「トランス脂肪酸の多い食事」のグループだけがHDL(善玉コレステロール)が少なく、LDL(悪玉コレステロール)が多くなっていたという実験結果が出たそうです。

5. 日本(厚生労働省)のコレステロールに対する見解

日本では、コレステロール値が上がった場合の食事について厚生労働省による食事指導では、

コレステロールの多い人は動物性脂肪を減らすこと。
肉の脂身や霜降り肉、バター、生クリームやアイスクリームは、コレステロール値を上げやすい食品なので、摂り過ぎないように。特にコレステロールが多い卵は、一日一個まで。
中性脂肪が多い人は、油脂、糖質、それから果物を食べすぎないようにしましょう。

とホームページに記載してあり、に関しての摂取に関しての記述はありません。コレステロール値を下げる食品の中には、なんと植物性脂肪と記入されています。

トランス脂肪酸がこれほどに世界中で問題視されており、LDL(悪玉コレステロール)を増やす事が明らかになっているにも関わらず、厚生労働省のホームページには摂取に注意を促す文言はありません。

6. まとめ

心臓トラブルが深刻な問題になっているアメリカでは、1992年のニューヨークタイムズ紙にて「マーガリンはコレステロール値を高くし、心臓トラブルの原因になり得る」という米国農務省の見解を掲載しています。

その後、1999年に米国の学会が心臓トラブルの予防ガイドラインを作成しています。

日本では2016年4月に厚生労働省から発表された「平成26年患者調査の概況」に、心臓トラブルの総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は172万9,000人で、前回調査に比べて約10万人の増加とあります。

また、その医療費は7,500億円と医療費の負担も非常に大きなものです。

もちろん、高齢化社会において、加齢にともなう増加も否めないでしょうが、健康に年を重ねていくためにも知識をつけての自己防衛には気を使っていきたいですね。

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