日本で油の規制が 少ない理由(ワケ)

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 世界&日本の食用油(脂)の市場規模

私達の口に入る油を作っているのは主に大手の食品メーカーです。

世界の製油食物油市場規模は2016年でおよそ20~25兆円というとんでもない規模の市場であります。

日本では家庭用油の市場だけでおよそ1,500億円の市場ですから外食業者への販売を含めるとかなり大きな市場となりそうです。

各家庭に必ずと言っていいほどあり、外食店もかならず油を必要としています。
さらに消耗品であり、人々は何らかの形で常に口にしているのが油(脂)なのです。

そりゃ市場規模も大きいですよね。

2. 食品メーカー・製菓会社の動向

トランス脂肪酸表示義務化規制となると、それを作っている食品会社や使用している製菓会社外食産業などで都合の悪い問題が生じます。

日本は産官学とマスコミが癒着をする傾向があります。
トランス脂肪酸を規制するという事は問題の油を製造しそれを利用している食品メーカーや外食チェーンから厚生労働省・農林水産省を通じての圧力があり、またマスコミにとっても大手の食品メーカーは大口の広告スポンサーである場合が多いので、問題を大々的に取り上げるわけにはいかないのです。
※最近では各メーカーもHPでトランス脂肪酸に関しての見解を記載しているケースも散見されるようになっています。

よって、「甘い!日本の悪い油への規制・方針」の記事でも書いたように表示や規制が進まないというのが現実です。

関連記事甘い!日本の悪い油への規制・方針

国民の健康を犠牲にしても経済を潤滑に回していくという事がより重要な事項なのでしょう。

3. 日本のメーカーが海外へ輸出する場合は?

日本の大手食品メーカーの多くは外国へも製品を輸出しています。
これらのメーカーは油を使う製品については海外では厳しい規制を順守しており、製品の改良やトランス脂肪酸等々の明示を義務付けられているので、その対応は出来ているのだと思われます。

しかし、残念なことに国内の販売については明示義務がないため野放しの状態となっているのです。

4. お隣国の規制状況

ニューヨークでは「禁止するくらい危険」というのが常識となり、トランス脂肪酸の追放キャンペーンのポスターが家庭・病院・学校な必ずというくらいあるのに対して日本ではその独特の癒着文化から規制や制限がまったくといっていいくらい進んでいないのがわかっていただけたと思います。

しかし、近い将来製油メーカーも

「このサラダ油はトランス脂肪酸を○○%含有しています」とか「○○度以上で調理をすると、ヒドロキシノネナールという人体に有害な神経毒が発生するので加熱は避けてください」

というようにタバコと同じような但し書きをつけなければならないような時代となってくるのでしょうね。

一方、「まだ日本はマシな方だな」と思う国もあります。それが中国の油事情です。

もちろん、最初に断っておきますが、中国は広く文化も地域毎に相当に異なるため、全て一括りでひどい状況であるとは言えません。

ただ、中華料理は皆さんも想像できると思いますが、「油を使う料理」が多いです。よって、油のニーズは大きく特に経済成長をしたここ20年の植物油の消費量はうなぎ登りの状況です

もちろん、現地でも富裕層が行くお店で食べるものは安全なのでしょうが、庶民が行くような小型の飲食店、屋台などでは輸入物の油は高級品ということで「地溝油」(下水から作る食用油)というものを使っている店が多いようです。

地溝油の写真

※地溝油(ちこうゆ)とは、簡単に言うと、下水に混じった油をすくい取り、一昼夜かけて濾過した後、加熱、沈殿、分離などの工程を経て、仕上げた再生食用油です。
※水と油が混じった下水でも、加熱をすると水は蒸発しますが、油は残りますので、上記の工程で確かに油分を獲得することは出来そうですよね。

地溝油と食用油の比較すれば、色で分けることができる

左:地溝油 右:一般食用油

悪臭を放っていた液体は、これでほとんど無臭になるらしいです。
ただし新品の食用油に比較すれば、色はどす黒くて一目で判別できるとのことです。

日本では家庭用であれ業務用であれ使用済みの油を直接廃棄することは許されていません。廃棄油は一律に回収されます。そして飼料、肥料、燃料などに再加工されてリサイクルされていきます。液体のとして再び食卓に戻ってくることはありません。

特に企業が廃棄油を処理する方法は事細かに定められていて、違反すると最高1,000万円の罰金を科せられる法律があるのです。

措置命令に従わない場合、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこの併科(法第25条第5号)

※厚生省(現環境省)/マニフェスト制度より

関連記事捨てた油が飼料になる!?植物油と畜産業との蜜月関係

世界各国でこのような油のリサイクルに対する規制(法律)はありますが、中国ではあるのかないのかは定かではありませんが、おそらくないのでしょう。怖いですね。。

聞いた話ですが、あるドイツ人が中国のお店に行った際に「この油で調理をしてくれ」と言って「マイアブラ」をバッグから取り出してお店の人に渡したらしいです(笑)

5. まとめ

いかがでしょうか?

諸外国では2000年後半から2010年代にかけてかなり厳しめにトランス脂肪酸をはじめとする油(脂)に関して規制や制限をかけました。
※カナダは、食品におけるトランス脂肪酸の含有量を0.1グラムから記載しなければならないというように法律で決まっているようです。
※日系カナダ人の友人曰く「自分の健康は自分で守らなきゃ駄目だよ」だそうですww

一方、中国の地溝油のようにまだまだ制度が整っていない国もあります。
※さすがに地溝油の製造方法は少し驚きですが・・・

日本は規制はあるものの、それが国民の健康の為というような規制になってはなっていないように思えます。※どちらかというと企業や病院、環境対策よりな気がします。

現代社会の美味しい食事に油(脂)を使った調理は欠かせません。
しかしながら、「油(脂)が悪いと引き起こす病気は国家にとってマイナスである」
というジャッジを早く日本もして正当な規制は作って欲しいですね。

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