みんな大好き!お肉の脂! ~動物性脂肪は本当に体に悪いのか?~

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 動物性脂肪やコレステロールに対するイメージ、実は間違っている?

お肉の脂大好き肉の画像

皆さん動物性脂肪というと何を思い浮かばれますか?私はまっさきに肉(の脂身)バターを思い浮かべます。

幼い頃は「肉の脂身は体にあまり良くないから食べすぎないように」と親に言われてきた経緯があり、何の気なしに体に悪いという印象を持っていました。

それは、1980年代より日本では、動物性脂はコレステロールを増やす=体に悪い!効果があるのに対して、植物油はコレステロールを減らす=体に良い!と国をあげて言われてきたからに他ならないのでは?と思っています。

しかし、そもそもコレステロールというものをきちんと認識・理解している人はどのくらいいるのでしょうか?

なんとなく、TVCMやマスメディアでコレステロールが増えるとまずい!

デブ=コレステロールの固まり!

みたいなイメージを植え付けられていますが、コレステロールは私たちの体で重要な役割を担ってくれています

その辺は、別の記事「コレステロールとは何者?その役割と油(脂)との関係性」で詳しく紹介するとして、ここでは動物性脂肪は体にとって悪いのか?という事にフォーカスして進めていきます。

関連記事コレステロールとは何者?その役割と油(脂)との関係性

2. 動物性脂肪・植物油という単純な分類では図れない油の種類

油に対して研究が進むにつれて、油の性質や体に与える影響は動物性脂肪植物油という単純な分類では説明がつかない点が多々出てきました。

動物性脂肪の構成のメーン部分

飽和脂肪酸/(牛や豚、羊などの脂身、バターやココナッツ油、パーム油、ヤシ油等)を避けることが今の日本では基本的な健康法としてイメージ操作をされています。

3. 飽和脂肪酸とは?

さて、動物性脂肪が悪者かどうかを説明する前にちょっと難しいのですが飽和脂肪酸について触れておかなければなりません。

飽和脂肪酸は、炭素の鎖に水素がぎっしりとついている構造になっているため「水素が飽和状態でついている脂肪酸」という意味で名付けられました。

脂肪酸の構造イメージ図

先ほども説明しましたが、飽和脂肪酸は牛や豚、羊などの脂身、バターやココナッツ油、パーム油、ヤシ油等に多く含まれる脂肪酸です。(おおよそ50~60%が飽和脂肪酸で構成されています。)
一般的な家庭用の植物油にも含まれているのが注目すべき点です!

ちなみに、ごま油やなたね油などの植物油も10%程は飽和脂肪酸です。
※下図を参照ください。

各油の脂肪酸含有比率

さらにですが、動物性脂肪に多く含まれている飽和脂肪酸はその炭素数によっていくつかに分類がされていきます。上の脂肪酸の構造イメージ図はC18という事で炭素数が18個の脂肪酸ステアリン酸をベースにしていますが、不飽和脂肪酸が炭素数が14個以上なのに対して、飽和脂肪酸は炭素数が2個から構成されているものもあり、これらは短鎖脂肪酸中鎖脂肪酸というように分類されます。中鎖脂肪酸などは流行のキーワードですので、また別記事で詳しく説明していくとして、ここでは飽和脂肪酸は炭素原子数(長さ)によっていくつかに分類される脂肪酸である。という事をご理解いただけたらと思います。

飽和脂肪酸の炭素原子数による分類

4. 飽和脂肪酸の特徴&体内生成メカニズム

飽和脂肪酸の最大の特徴は、常温では固体であるという点と融点が高い&劣化しにくいという事です。
※飽和脂肪酸の対として不飽和脂肪酸=常温で液体というものがありますが、それはまた別で説明します。

なので、理屈としては揚げ物や炒め物などの高温調理をする場合には飽和脂肪酸の豊富な油を使うのが良いという事になります。

しかし、飽和脂肪酸は体内で合成されるため、食事からとる必要は必ずしもありません。
むしろ、摂り過ぎによる弊害のほうが指摘されています。

どういう事かというと、体内に余剰の糖質タンパク質等が存在しているとアセチルCoA(参照:wikipedia/アセチルCoA)を経て、飽和脂肪酸の合成が進みます

さらに、脂肪酸合成が炭素数18(ステアリン酸)に達すると、ステアリン酸の中央に二重結合が生成されて体内で一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が生成されます。

ステアリン酸の中央に二重結合が生成されて体内で一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が生成される。

なので、この二つ(飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸)は人間の体内で生成(他の栄養素から作ることが)できる脂肪酸という訳です。

例えば、豚の体脂肪であるラードにはオレイン酸が豊富に含まれています。

このオレイン酸から、植物だと二重結合が一個増えてリノール酸(オメガ6脂肪酸)が生成され、それに加えて二重結合がもう一つ増えてα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)を生成することができますが、動物の体内にはリノール酸もα-リノレン酸も作るための酵素が存在しないので、これらの不飽和脂肪酸を脂肪酸(油)として経口摂取しなければならないのです。その為、リノール酸とα-リノレン酸/多価不飽和脂肪酸必須脂肪酸と呼ばれているのです。

関連記事偏りがちな必須脂肪酸!オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の適切なバランスは?

5. 摂り過ぎはダメ!大切なのはバランス!

元来、日本人の体は脂質を分解する消化酵素が少ないので、肉の脂質を消化・浄化するのにかなりのエネルギーが消耗されたり体に負担がかかったりします。

人類は歴史上の長い間、飽和脂肪酸を食べてきており、古代の人々のほうが現代人より成人病にはなりませんでした。
(もちろん寿命が短かったのもあります)

そうでなくても油や脂肪というのは細胞や細胞膜、神経組織、ホルモンなどを作るのに欠かせない材料であり避けるのではなく、積極的に体が喜ぶ良い油(脂)を摂取していくことが重要です。

国立がん研究センターは、「肉や乳製品などの動物性脂肪分は多すぎても少なすぎても循環器疾患にはよくない。ほどほどがベスト(一日10~20グラム程度)である」という調査結果を発表しています。

6. まとめ

という事で動物性脂肪=悪者ではありません。

ただし、動物性脂肪に豊富に含まれる飽和脂肪酸は体内でも合成ができる成分なので、食事による摂り過ぎには注意が必要という結論となります。

食の西洋化が進んだ現代社会においてはついついお肉や乳製品等の動物性脂肪分の摂取量が増えてしまうので、気を付けたいですね。

それよりも「体に良いと思っている」のに、実は体にとって有害な悪い油はごまんとあるので、そちらの方を気にしたいですね。

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