あなたは太るメカニズムを知っていますか?元凶はこれだった!脂肪細胞の解説

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 人が「太る」という事はどういう事なのか?

太るメカニズム

人はなぜ太るのか?

他の記事でも散々ふれてきましたが、それは人が飢餓に備えてエネルギーを備蓄する機能を進化の過程で身につけてきたからです。

関連記事人はなぜ太るのでしょうか?脂肪蓄積と燃焼のメカニズムを徹底解明!

今回はそこをもう少し掘り下げて考えてみましょう。

太る=身体の一部が肥大するという事です。同一人物でもびっくりするぐらい太ったり痩せたりで見た目は変わりますよね。(20年ぶりの同窓会は残酷ですよ・・)

その「太る」という人体機能のメカニズムを本記事では紹介していきたいと思います。

2. 太る原因である【脂肪細胞】

人類は昔そんなに都合よく食べ物があるわけではありません。飢えていてエネルギーが不足している状態で外敵に出くわしたら高確率で生命は危険にさらされます。食べ物がある時にドカ食いをしてエネルギーを貯蓄しなければなりません。

しかし、エネルギーを糖分としてはそこまで蓄えることができませんし、なにより血液中を糖分過多の状態で循環させ続けるのは血管に大きな負荷をかけてしまいます。そこで、脂肪細胞に普段は動かない形のエネルギー(中性脂肪として)を蓄えて、必要に応じて脂肪細胞からそのエネルギー(中性脂肪)を血液中に放出して全身に活動のためのエネルギーを供給するというメカニズムが人体にはあります。このように非常に重要な機能を脂肪細胞は担っています。
※他に肝臓や筋肉にも蓄えますが、備蓄量はそんなに大きくなく、主には脂肪細胞に蓄えます。

その脂肪細胞が大きくなったり増加したりすると、体積が増え、見た目で太るという状態になるのです。

その貯め込む為の脂肪細胞放出する為の脂肪細胞という機能別で脂肪細胞は2つに大きく分類されます。次はその2つの脂肪細胞を詳しく紹介していきます。

3. 貯める白色脂肪細胞と燃やす褐色脂肪細胞

白色脂肪細胞/エネルギーを貯める脂肪細胞

白色脂肪細胞は、摂取して余ったエネルギーを中性脂肪としてため込みます。またそれによって蓄えらた脂肪は、体温維持のための断熱作用や内臓の位置を保つ機能も持っています。実際痩せている人は胃下垂が多いのです。

白色脂肪細胞は全身のあらゆる所に存在しています。(箇所によって多い少ないはありますが)想像して欲しいのですが、例えば相当に太ってもひたいの辺りや首周り、スネの辺りには元々白色脂肪細胞が少ないのでそこが肥大している人というのはあまり見たことありませんよね?逆に下腹部やお尻や太もも、背中、二の腕や内臓の回りなどには白色脂肪細胞が多く存在しているので容易にそこが膨らむのは想像つくと思います。いわゆる贅肉の元だ。
※個人差や性別差で白色脂肪細胞の多い箇所は異なります。
※脂肪が増えると肥満といわれますが、肥満にもお腹がふくらんでくる内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満/男性に多い)と、お尻や太股に脂肪がついてくる皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満/女性に多い)があります。

男性ホルモンは筋肉を増加させるのですが、筋肉の熱源となる内臓脂肪も増加させる作用があるので男性は内臓脂肪がつきやすくお腹まわりが大きくなりやすく、女性ホルモンは内臓脂肪よりも皮下脂肪を増やす傾向があるので下半身を気にされる女性の方が多いのです。

褐色脂肪細胞/エネルギーを放出する脂肪細胞

もう一つの脂肪細胞である褐色脂肪細胞は、代謝型の細胞で余分な脂肪(中性脂肪)を熱(エネルギー)に変換し放出させる働きがあります。

この褐色脂肪細胞は、エネルギーが不足したり、体が冷えた際などに蓄えている体脂肪を燃やして熱(エネルギー)を作り出す働きがある細胞です。

なので、当然ながらこの褐色脂肪細胞が多ければ多いほど体脂肪は燃焼しやすいのです!しかし、ここで驚愕の事実なのですが、この素晴らしい褐色脂肪細胞年を取るごとに減少していくというなんとも憎いやつなのです!

褐色脂肪細胞は、成長期に入ると少しずつ減り、生まれたばかりの時に約100gあったものが、成人になると40g程度に減ってしまいます。なので、赤ちゃんが例えば3,000gとした場合に100g(3.3%)もあるのに対して、成人だと例えば65kg中にわずか40g(0.06%)まで減少してしまうのです。

褐色脂肪細胞は首の周り、脇の下、肩甲骨の周り、心臓、腎臓の周りの5カ所と存在する場所が決まっているので、できることはその辺りに向かって「脂肪の燃焼頼むぜ~」とエールを送ることくらいですね(笑)

4. 【恐怖】肥満で増加する白色脂肪細胞とその不良化

脂肪細胞が増えるのは、妊娠末期の3カ月(胎児期)・ミルクで育つ乳児期・思春期に集中することが知られています。白色脂肪細胞の数は、20歳前後の成人では約400億個となるといわれています。
参照:肥満に関係するだけじゃない脂肪細胞の正体 京都大学大学院農学研究科教授 河田照雄

この時期(上記の3つの時期、特に思春期)に太ってしまった人には、脂肪細胞が増殖した肥満が多いといわれます。これもビックリなのですが、一度増えてしまった脂肪細胞は減ることがありません!したがってこのタイプの肥満は、脂肪を落とすことがとても難しいそうです。確かに子供の頃に太っていた人はやせにくい印象がありますよね。

また、成人期以降の肥満をめぐっては、「白色脂肪細胞の総数はほぼ変わらない。細胞は肥大化するものの、増殖はしない」という説と、「白色脂肪細胞は肥大化のみならず、分裂によって増殖する」の二つの説があります。

この二つの説は、「成人の脂肪細胞は増殖するか」をめぐって対立していますが、現在の日本の研究者の間では、後者の説が有力となっています。

佐賀大学教授(当時)杉原甫先生は「肥満の科学」を主題に2003年に開催された日本医学会シンポジウムで、肥満は「肥大優勢 ⇒ 肥大・増殖 ⇒ 増殖優勢」と進行していくと述べています。

成人普通体重者の脂肪細胞は直径 70~90 µm である。これがわれわれの観察では、どのように肥満が起こっても,約 130 µm(直径で 1.3 倍,体積ではその 3 乗の 2.2 倍)までは肥大するが、それ以上は肥大しない。
参照:日本医学会 第124回日本医学会シンポジウム講演要旨「肥満の科学」

一例として、170 cm、64 kg(体格指数=BMI 22)の体重の男性の場合が取り上げられています。体脂肪率を約 20% とすると、脂肪は 12.8 kg になります。この脂肪細胞が全て最大に肥大したとしても、12.8×2.2=約28 kg までしか増加しない計算になります。体重は、この 28 kg に非脂肪組織(64 kgの 80% の 51 kg)を加えて 79 kg となります。よって、この体重の男性は、79 kg になるまでは栄養の貯蔵のため,脂肪細胞の肥大で対応できる事になります。79 kg は、170 cm のこの男性では BMI 27.3 です。ただ、なんとこの値は軽度の肥満だそうです。

ここで疑問なのですがTVで良く見る外国人の方で軽度の肥満ではすまない、とんでもなく太ってしまった人の白色脂肪細胞は、どうなっているのでしょう?

杉原甫先生によると脂肪細胞は限界までふくらみ、体積で 2.2 倍を超えるようになると、今度は脂肪細胞が増殖するようなのです!肥満者の白色脂肪細胞は、約800億にもなるといわれています。通常成人が400億なので、およそ倍まで増えるという事なのですね。

一旦、自身の限界を超えて太ってしまった人は、脂肪細胞の数が増えるので、物凄くやせにくい&とても太りやすいという何ともやっかいな状態に残念ながらなってしまっているという事なのです

そして肥満によって白色細胞が肥大化し、数が多くなると、アンジオテンシンⅡという物質の分泌量が過剰になります。このアンジオテンシンⅡという物質は血圧を上げる作用があり、高血圧症の原因となります。やはり肥満にはなりたくないですね。

5. まとめ

如何でしたでしょうか?人が太るというのは脂肪細胞に原因があるという事がわかって頂けたと思います。

という事なので、痩せるためには「飢餓状態(身体にエネルギーが足りない状態)にして、血中に中性脂肪を放出し、それを使いつつエネルギーを消費して必要栄養以外は補給しない」という何ともヘビーな状況を続けなければいけないのです。さらに年をかさねる毎にその消費の根幹である褐色脂肪細胞は減少していくというおまけつきで。。それは想像するだけで大変な苦行ですよね。。

その脂肪細胞に一番乗りしてくるのが油・脂・脂質なので、やはり油にはこだわって健康的な肉体を目指していきたいですね!油・脂・脂質が一番太りやすい理由はこちらの記事をご覧ください。

関連記事中性脂肪は炭水化物からも作られるって本当?油(脂)からだけではない?

スポンサーリンク
error: Content is protected !!