偏りがちな必須脂肪酸!オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の適切なバランスは?

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 植物油に多いオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は両方とも必須脂肪酸

植物油に多く含まれているオメガ6脂肪酸オメガ3脂肪酸は私たちの体内では合成できないため、食事などを通して外から補う必要があります。

そのためこれらを必須脂肪酸と呼びます。

必須脂肪酸が欠如すると、エネルギーの生産力低下、脳の発育の遅れ、皮膚や臓器の障害などのリスクが高まります。

また、必須脂肪酸はコレステロールの代謝に影響を及ぼす働きをしているため、必須脂肪酸の不足は血中コレステロールの増加を促します。
そうなると高脂血症や高コレステロール血症、動脈硬化などの発症リスクを高めてしまいます。

他にも、皮膚の弾力性低下や湿疹、脱毛など、さまざまなトラブルが必須脂肪酸の不足によって引き起こされます。

2. 油の分類表からみる必須脂肪酸の位置

油の分類表からみる必須脂肪酸(オメガ6脂肪酸とオメガ3系脂肪酸)の位置

※オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸は赤丸がついている所に分類されている油です。

植物油中の脂肪酸比率

必須脂肪酸オメガ6脂肪酸のグループで最もポピュラーな脂肪酸がリノール酸です。
リノール酸(オメガ6脂肪酸)は紅花油や大豆油、グレープシードオイル、菜種油、コーン油、綿実油に多く含まれています。

一方、オメガ3系脂肪酸グループの代表脂肪酸がサバやイワシなどの青背の魚に多いEPAとDHA、そして亜麻仁油・えごま油・しそ油に多いリノレン酸です。

リノール酸を多く含む植物油は生成され加工油脂/植物性油として、インスタントラーメン・ドーナツ・カレーライス・ドレッシング・マヨネーズ・マーガリン・ショートニングなどあらゆる加工食品に利用されています。

インスタントラーメンの原材料に植物油脂が使われている

※加工食品のラベルによく書いてあるやつです。

後ほど詳しく説明していきますが、オメガ3脂肪酸(リノレン酸)は酸化しやすく、熱にも弱いため調理にはあまり向きません
また、酸化しやすいという理由はもちろんですが、リノレン酸を多く含む油は製造コストも高いため、加工食品に使われることはほとんどありません

一方、世の中に溢れている加工食品や調理に多く使われるリノール酸オメガ6系脂肪酸は「ついつい」過剰に摂取する傾向にあります。この過剰摂取が多くの病気の原因となるのです。
※リノール酸/オメガ6系の脂肪酸は確かに必須脂肪酸ですが、何にでも言えることですが摂りすぎると毒となります。

3. 1970年代から爆発的に増えた植物油の消費量

日本ではこれまでオメガ6脂肪酸リノール酸を摂取するように推奨されてきました。
オメガ6脂肪酸のリノール酸は血中コレステロールを低下させる作用があるとして注目を浴びたのです。

植物の中でも、紅花油・菜種油やコーン油、ひまわり油などにリノール酸が多く含まれることから、これらの油は大変なブームになりました。
※昔よくCM見ませんでしたか?

当時の厚生省や食品業界は「動物性油はコレステロール値を上げるが、植物性のリノール酸は体に良い」と大々的に宣伝したのです。
その結果、サラダ油やマーガリン・ショートニングを始め、マヨネーズ・ドレッシングが工場で大量に作られ、多くの家庭で調理に用いられ、学校給食でもサラダ油から作られたマーガリンが出されるようになりました。

皆さんも学校の給食でマーガリン出ましたよね?
(最近の小学校ではマーガリンは出ていないようです)

バターよりマーガリンが健康に良いという間違った栄養学が常識とされる時代が長い間続き、この約40年間で日本人のリノール酸摂取量は約3倍に増加したそうです。

日本の植物油消費量の推移

そして、ほとんどの現代人がオメガ6脂肪酸オメガ3脂肪酸の摂取バランスが10対1以上というひどい状態になっています。
※厚労省の推奨摂取量は4対1

油は油で対抗することができるので、一番まずい状態はこのバランス(オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取バランス)が極端に偏っているという事なのです。

4. 油のバランスが悪い状態が引き起こす現代病

厚生労働省や食品業界がPRしたように日本人はリノール酸をたくさん食べ続けることによって健康になったのでしょうか?

三大病癌・心疾患・脳梗塞は年々増加しており(もちろん高齢化が進んだことも要因ではありますが)、認知症(アルツハイマー)病等の脳や心の病気も急増しているのが現状です。

健康に良いと信じで食べていたはずのサラダ油やその加工食品の摂取量が急激に増加するにつれて、以前はあまり見られなかった花粉症アトピーの人が増えうつ病引きこもりなどの心の病も頻繁に見られるようになりました。

これらの背景の一つには動物性の脂肪は体に悪い!植物性油は健康的!という漠然としたイメージを植え付けた戦後の間違った栄養教育と学校給食で強制的にマーガリンを食べさせ続けたことが関係している可能性は認識しておきたいですね。

5. オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の体内での役割の違い

サラダ油(植物油)に多く含まれているオメガ6脂肪酸と亜麻仁油や青背の魚に多く含まれているオメガ3脂肪酸、これらはどちらも必須脂肪酸であり、私達の体内で細胞膜の材料になりますが、この二つは反対の働きをします。

細胞膜の主な成分は脂肪です。

細胞膜は細胞内に酸素や栄養素を取り込んだり、細胞内で発生した老廃物を排出したり、細胞同士の情報を伝達したり、有害物質の侵入を防止するなど私たちが生きる上で大切な役割を持っています。

オメガ6脂肪酸リノール酸が作り出すアラキドン酸オメガ3脂肪酸リノレン酸が作り出すEPAエイコサペンタエン酸は体内で全く正反対の働きをします。

例えばオメガ6脂肪酸は細胞膜を硬くするのに対しオメガ3脂肪酸は細胞膜を柔らかくします。

同じ油ですが、その種類によってお互いに不足している性質を補完して細胞膜の生命活動を円滑に行っているのです

もしもオメガ6脂肪酸に偏った食事をすれば、細胞膜は硬くなり柔軟性がなくなって、栄養素を取り込んだり、老廃物を排出する等の細胞本来の活動がスムーズに行われにくくなります。

脂肪で作られている細胞膜はオメガ6とオメガ3の脂肪酸バランスが良い状態で構成されることで柔軟性とハリのあるものとなり、個々の細胞も生き生きと活動し、細胞でできている筋肉や血管・心臓等の各種人体機能が正常に活動できるようになります。

オメガ6脂肪酸のアラキドン酸、オメガ3脂肪酸である「エイコサペンタエン酸」からはそれぞれエイコサノイドという物質が作られます。同じ物質なのですが不思議なことにオメガ3脂肪酸由来とオメガ6脂肪酸由来では相反する作用をします。

エイコサノイドとは限られた部分でホルモンのように様々な体内機能に作用することから局所ホルモンとも呼ばれ、トロンボキサンプロスタグランジンロイコトリエンなどいくつかの種類があります。

6. 局所ホルモンから読み解く油の重要性

例えば転んで出血が起きると、アラキドン酸(オメガ6脂肪酸)由来のトロンボキサンが増えて血液を固めて止血し、その状態が続いて血栓ができそうになると今度はEPA(オメガ3脂肪酸)由来のトロンボキサンが作り出されて血液を流しやすい状態にします。

オメガ6脂肪酸由来のプラスタグランジンは炎症を促進しますが、オメガ3脂肪酸由来のものは炎症を抑えます。同様に、オメガ6脂肪酸由来の ロイコトリエンは器官を収縮するのに対し、オメガ3脂肪酸由来は弛緩します。

これらの相反する働きは、体の中で発生する様々な異常に柔軟に対応するという大切な役割をしています。

これらの機能がしっかり働くためには材料となるオメガ6オメガ3の両脂肪酸がバランスよく体内に存在していることが大切になります。

7. まとめ

いかがでしょうか?

もちろんオメガ3脂肪酸にばかり偏ってもいけませんが、比較的容易に摂取ができるオメガ6脂肪酸とは異なり、オメガ3脂肪酸は意識して摂取していかないとついついそのバランスが崩れていきがちですよね。

是非、健康的な毎日の為にも意識してオメガ3脂肪酸を摂取していきたいですね。

参考記事サプリメントマイスターが選定!DHA・EPAサプリのおすすめランキング

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