中性脂肪は炭水化物からも作られるって本当?油(脂)からだけではない?

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. そもそも中性脂肪って何でしょう?油(脂)から出来るとは限らない?

そもそもですが、中性脂肪とは一体何なのでしょう?脂肪とは違うのでしょうか?中性があるという事は酸性とかアルカリ性もあるのでしょうか?現代人が恐れている中性脂肪ですが、それ(中性脂肪の全容)をしっかりと把握している人は少ないと思います。

健康診断で驚きの数字(判定)が出て、高価なジムやサプリメントに手を出す(私がそうでした)前に、まずはしっかり中性脂肪の事を知りましょう!

1-1. 中性脂肪の定義

中性脂肪の解説の前に、なぜ脂肪脂質脂(あぶら)といった用語は、各々うまく定義されずに使われているのでしょうか?それは医学・栄養学の観点での話が混ざって情報として入ってくるためです。

中性脂肪というのは、栄養学の呼び名であって医学名はトリグリセリドという名称で呼ばれています。

中性脂肪の定義を一言でいうと「(脂肪)細胞や肝臓に蓄えられた状態の脂肪」の事を指します。なので、見た目では判断が出来ず、その過多・過少の判別は血液中の中性脂肪の状態で判断をします。

それが血中中性脂肪という言葉で、血液を採取し、酵素薬を使って検出します。その血液中の中性脂肪含有量の「多すぎ・正常・少なすぎ」という状態を判別しているのです。

健康診断で計測したいのは、「余分なエネルギーとして肝臓に取り込まれた脂肪が再び血液中に分泌された血中中性脂肪(内因性の中性脂肪)の値」なので、前日の夜~当日の朝に食事を摂ってしまい、外因性の中性脂肪により検査値が高くなってしまうと正確な数字が反映できません。

健康診断の前日から当日にかけて食事制限をするのはこのためで、絶食をする事によって元々体内に蓄えられている中性脂肪が血中に放出されます。その際にどれくらいの量の中性脂肪が血液中に放出されるかをチェックするのが血液検査の目的なのです。

1-2. 中性脂肪ができるまで

では、その中性脂肪はどのように体内で作られているのでしょうか?

食事で摂取したエネルギー(炭水化物や脂質、タンパク質)が消費しきれずに余ると、余ったエネルギーは肝臓で中性脂肪に合成され、肝臓や脂肪細胞に蓄えられます。これは人類が食料が少なかった時代に生き残るため(飢餓に備える為)の機能です。

脂肪は同じ質量でのエネルギー量がタンパク質や炭水化物と比較して多く、貯蔵に最も向いています。詳しくはこちらの記事で紹介しています。

関連記事人はなぜ太るのでしょうか?脂肪蓄積と燃焼のメカニズムを徹底解明!

ここで「エネルギー」と表現しているように中性脂肪は脂質からのみつくられる訳ではなく、「摂取したカロリー全て」から合成されます。

5大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)の内、カロリーを含んでいるのが炭水化物・脂質・タンパク質ですが、その3つ全てから中性脂肪は合成されます
※なので、基本的には何でも食べすぎてそのエネルギー(カロリー)を消化しきれないと中性脂肪として蓄えられます。

しかし、やはり脂質は中性脂肪にはなりやすいはなりやすいのです。実はエネルギーはそれぞれ中性脂肪になるプロセス(過程)が異なるのです。それを次に紹介していきます。

1-3. 栄養が中性脂肪になるプロセス

炭水化物(糖質)

炭水化物(糖質)は胃や腸で分解され、グルコース(ブドウ糖)として血液中を巡りながら脳や全身の活動エネルギーとして「すぐに」使われていきます。※なので、食後に血糖値が上がったり、元気を出したいときに飲むエナジー飲料に大量に砂糖が入っているのはその為です。

エネルギーとして利用されずに余ったグルコースは脂肪細胞や肝臓で蓄えられ、必要に応じてエネルギー源として使われるのですが、それでも余った場合には中性脂肪に変わります。

そのメカニズム(グルコースを中性脂肪に変更する過程)で重要なのがインスリンという物質で、インスリンの作用で脂肪細胞はブドウ糖を取り込み、これを中性脂肪に合成して蓄積します。
※ちなみに、なぜ血液中のブドウ糖をわざわざ中性脂肪に変化させる必要があるのでしょうか?それは血糖値が高いままの血液をグルグル体内で循環させていると血管を傷つけて動脈硬化など体に支障をもたらしてしまうからなのです。ブドウ糖は生命活動には欠かせない即効性のエネルギーなのですが、消化しないで体内を巡らせたままにしていると身体への負荷が大きいため、そうならないように血液中のブドウ糖を中性脂肪という普段は動かない状態/貯蔵可能な状態に変換して身体へと貯蔵するという何とも凄いメカニズムになっているのです。

油(脂質)

油(脂)の摂取時は、脂質は小腸で遊離脂肪酸グリセロールに分解され、小腸の細胞に入って中性脂肪に再合成されます。その後、アポタンパクやコレステロール、リン脂質などと結合しリポタンパクであるカイロミクロンとなり、リンパ液や血液を介して全身の細胞に運ばれます。

ここで炭水化物(糖質)との違いに気づきましたか?そうです。脂質はそのままエネルギー源として使われるわけではなく、小腸で分解→細胞にIN→中性脂肪へ再合成→脂肪細胞や肝臓にて貯蔵→必要に応じて分解→エネルギーとして消費というプロセスとなるため、蓄積されやすいのです。

まず使うのではなく、まず貯めるという何ともがっちりさんなのが脂質なのです。

タンパク質

タンパク質は、直接中性脂肪に変化するわけではなく一旦アミノ酸に分解されます。身体において脳以外に大きなエネルギーが必要な筋肉はこのアミノ酸を使って運営しています。

その時に余ったアミノ酸がグルコース(糖質)となり、そこからは糖質と一緒のルートとなり肝臓で中性脂肪となります。

なので、イメージなのですが、

炭水化物/糖質→キッチン、そのまま調理可能。余ったら備蓄倉庫へ
タンパク質→冷蔵庫。一旦キッチンへいった後に余ったら備蓄倉庫へ
脂質→そのまま備蓄倉庫へ。その後に必要に応じてキッチンへ

ちょっと無理がありますが、要するにこの備蓄倉庫にある状態が中性脂肪だと思ってください。

1-4. 中性脂肪の分解・変化プロセス

蓄えられた中性脂肪は、食事量が減る・有酸素運動を行うなどによってエネルギーが不足した際に、「リパーゼ」という体内の酵素によってグリセロール(グリセリン)遊離脂肪酸(FFA)に分解されます。
中性脂肪はエネルギーの貯蓄の役割があるため、必要に迫られなければなかなか使われることはありません。生活習慣を改善して頑張っても(節制を続けても)その度合にもよりますが、1~2か月は変化しません。思った以上にやっかいなのが中性脂肪値の改善なのです。

2. 中性脂肪が高い=デブではない? 内蔵脂肪と皮下脂肪との違い

前章でもお伝えしたように、中性脂肪が多い・少ないという状態は、「皮下脂肪」や「内臓脂肪」のように目に見える(見た目に変化がある)変化があるわけではなく、糖質(即効性のエネルギー)が足りなくなった時に血液中にどのくらい中性脂肪を放出するのか?(蓄えている状態なのか?)という状態の大小を指しているので、必ずしも中性脂肪が多い人がポッチャリさんという訳ではないのですね。

ただし、中性脂肪と私たちの見た目に変化を及ぼす皮下脂肪内臓脂肪は当然ながら密接な関係にあります。次はその関係性を説明していきたいと思います。

まずはそれぞれの定義から解説していきます。

2-1. 中性脂肪

前章をご覧ください。

1-1. 中性脂肪の定義

2-2. 皮下脂肪

実はとっても日常生活に重要です。
皮膚のすぐ下についているいわゆる「つまめる」脂肪のことです。内臓脂肪に比べてたまりにくいですが、一度つくと分解されにくいため、なかなか減らないのが特徴です。(涙)

内臓脂肪と比べ、生活習慣病等の病気や身体の不調に大きな関係がないと考えられています。皮下脂肪組織があるのとないのとでは、その内側の筋や血液、内臓の熱を体外に奪われない保温効果がかなり違います。また、衝撃を吸収する働きもあります。そしてもちろん、日常生活であまったエネルギーを脂肪細胞に蓄えておく働きもあるなど、皮下脂肪は、さまざまな意味で日常生活の緩衝材のような働きをもっているといえますね。

ただし、それを減らさないとかっこいいシックスパックは手に入らないので、何とかしたいと思っている人も多いと思いますが、本来的にはそんなに気にしないである程度必要な脂肪だと認識したほうが良いのです。

2-3. 内臓脂肪

内臓の周りについている脂肪のことです。皮下脂肪に比べてたまりやすいですが、分解されやすいのも特徴です。その名の通り内臓の周りにつく脂肪です。皮下脂肪に比べるとタチが悪く、内臓脂肪型の肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』と呼び、健康診断でチェックされる項目となっています。ただし、たまりやすい反面、筋肉を動かすエネルギーとして使われるので、落としやすいのが特徴。男性や閉経後の女性につきやすいといわれています。
※ちなみに、メタボリックシンドロームの診断基準としては、以下の①と②が成立する時に該当します。
①:ウエスト周囲径(へそまわり)→男性:85㎝以上、女性:90㎝以上
(これは本質的には身長や体格によって異なるため、CTスキャンなどで測定することが望ましいです)

②:この中から2項目以上

  • 血圧:収縮期130mmHg以上 or  拡張期85mmHg以上
  • 空腹時血糖値:110mg/dl以上
  • 中性脂肪:150mg/dl以上 or  HDLコレステロール:40mg/dl未満

※2005年 日本内科学会総会にて発表

内臓脂肪蓄積型の肥満が怖い理由としては、動脈硬化を抑制する作用のあるアディポネクチンという物質が正常に分泌されなくなり、その結果、動脈硬化が進みやすくなってしまう事です。アディポネクチンは標準的な体格の人の血液中には多く存在し、内臓肥満が増加すると減少することが明らかになっています。
よって、一度くらいはCTスキャンをして自分の内臓脂肪をしっかりと把握したいですね。

2-4. 脂肪細胞

先程、脂質が中性脂肪になるプロセスを紹介しました。

脂質はそのままエネルギー源として使われるわけではなく、小腸で分解→細胞にIN→中性脂肪へ再合成→脂肪細胞や肝臓にて貯蔵→必要に応じて分解→エネルギーとして消費

ここで、中性脂肪が脂肪細胞へいきそこで貯蔵されるという説明をしましたが、ではその脂肪細胞とは一体何なのでしょうか?

脂肪細胞はその名の通り脂肪を溜め込むための細胞です。ブドウ糖はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられますが、せいぜい数百グラム(24時間分くらいのエネルギー)です。
それに比べて、脂肪は余分なものをいくらでも貯められるといわれており、その貯蔵庫が脂肪細胞なのです!

2-5. 2種類の脂肪細胞

脂肪細胞には「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があります。
脂肪をため込むのが「白色脂肪細胞」脂肪を燃焼させるのが「褐色脂肪細胞」です。

貯め込むための白色脂肪細胞は全身のあらゆる箇所に存在しています。個人差や性別差はあるのですが、特に下腹部、お尻、太もも、背中、腕の上部、内臓の回りなどに多く存在しています。
その脂肪細胞の増加・肥大がいわゆる皮下脂肪や内臓脂肪が増加している状態(太った状態)となるのです。
※それぞれの脂肪細胞の特徴は詳しくこちらの記事に書いていますので、そちらをご覧ください。

関連記事あなたは太るメカニズムを知っていますか?元凶はこれだった!脂肪細胞の解説

なので、それぞれの関係をまとめると、

  1. 脂質に限らずエネルギーを取りすぎて使いきれずに余る。(脂質は最初から脂肪細胞や肝臓で貯蔵)
  2. 体内を循環させる為に(血中)中性脂肪へ変換
  3. そのまま体内を循環させていると血管に負担が大きいので動かない所で保管→脂肪細胞や肝臓へ
  4. 元々持っている脂肪細胞で貯蔵→皮下脂肪や内臓脂肪にて貯蔵
    ※脂肪細胞が足りなくなると増強して蓄えようとしますが、それでも足りないと血中の中性脂肪の行き場がなくなり、血液中を巡回しつづけるという非常に危険な状態が続きます。
  5. 絶食したり運動をしたりしてエネルギーがなくなると分解して(血中)中性脂肪として体内へ放出

簡単にまとめるとこのようなメカニズムで中性脂肪というのは私達の身体で活躍してくれているのです。

3. なぜ中性脂肪が高いと危険なの?中性脂肪値が高い場合になりやすい病気

最初になのですが、中性脂肪は高すぎても低すぎても良くありません。
高すぎたり、低すぎたりすると以下のような異常の原因となります。

高値脂質異常症、脂肪肝(フォアグラ状態)、糖尿病、甲状腺機能低下症、肥満など

低値甲状腺機能亢進症、肝臓病、アジソン病、栄養障害など

これまで何度も言っていますが、中性脂肪は私達の身体を運営していくために必要不可欠なものなので、高すぎても低すぎても良くありません。適度な状態が当たり前ですがベストなのです。

また、「人は血管から老いる」とはよく言ったもので、中性脂肪値が高値を示す人は「脂質異常」とされますが、その中でも怖いのは動脈硬化からはじまる心筋梗塞、狭心症、脳血管障害(脳梗塞)など一発アウトの病気です。

実はこれは中性脂肪に限った話ではありません。要は「血液中の流れを妨げる状態/高血圧糖代謝異常脂質代謝異常」の状態を続けていると「血管がボロボロになって様々な病気を引き起こす」というのが脂質異常の本当の恐怖なのです。

そんな血管の状態を正常に保つためには運動や喫煙をしない等様々ありますが、油でいうとEPA(エイコサペンタエン酸)を定常的に摂取するという事をおすすめします。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

関連記事世間良く聞くDHA・EPAの正体は実は油って本当!?その効果はどんなもの?

4. 中性脂肪値を正常な状態に保つためのポイント

先にも少し触れましたが、中性脂肪は決して悪者ではありませんが、「正常値を保つ」というのは非常に重要です。そこで、中性脂肪を正常に保つためのポイントをいくつかご紹介します。

至極当たり前の事だらけなのですが、

  1. 運動(できれば有酸素運動)
  2. 飲酒はほどほどに
  3. 食べすぎない(特に甘いものや肉の脂身等脂質の多いもの)
  4. EPA(エイコサペンタエン酸)を定常的に摂取する

有酸素運動を行うと、まず血流がよくなります。血流がよくなると、リポタンパクリパーゼという酵素が筋肉内で活発に働いて、中性脂肪を運んでいるリポタンパクが分解されやすくなるため、中性脂肪が下がります。定期的な運動というのは本当に重要なのです。

また、お酒には糖分が含まれていますので、飲酒によって中性脂肪が増えることは増えますが、アルコールが直接中性脂肪になるわけではありません。アルコールは、肝臓で水と二酸化炭素に分解されますが、その分解過程で、中世脂肪の合成を促す酵素を発生させるというEPAにとは逆の働きをするので、そのため中性脂肪が増えるということになります。
※なので、痩せていても毎日大量に飲酒をしている人が健康診断で引っかかるのはその為なのですね。

あとは当然なのですが、「食べすぎない」という事ですね。きちんと摂取した分のエネルギーを消化していれば基本的には中性脂肪の値は正常を保ってくれますので。まあ、それが難しいのです・・・

EPA(エイコサペンタエン酸)を定常的に摂取して中性脂肪値を正常に保つという項目に関しては次の章でご紹介します。

5. EPAは中性脂肪を下げるって本当?

当サイトでも何回も紹介しているEPA(エイコサペンタエン酸)のオメガ3脂肪酸ですが、こちらは油なので、摂取すると小腸で分解→細胞にIN→中性脂肪へ再合成→脂肪細胞や肝臓にて貯蔵→必要に応じて分解→エネルギーとして消費というルートを辿ります。

このEPAには、肝臓での中性脂肪の合成を抑えて、血中の中性脂肪を減らす作用があります。そのうえ、血液を固める働きのある血小板が凝集するのを防ぐため、心筋梗塞や脳梗塞の引き金となる血栓ができるのを予防してくれます。

中性脂肪を下げるために積極的に食べたいのが、アジ、イワシ、サバ、サンマなどの青魚です。これら青魚の油には、EPA(エイコサペンタエン酸)と呼ばれる不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)が豊富に含まれています。

国内の医療機関でも、動脈硬化の進行した患者さんの中性脂肪を下げる治療薬として、イワシのEPAから精製した「エパデール(持田製薬)」というEPA製剤が使用されています。

EPAには酸化しやすいという欠点があるため、魚を選ぶ際には鮮度がいいものを選びましょう。また日々の食事から摂取するのは大変なので、サプリメントで継続的に摂取したいですね。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

参考記事サプリメントマイスターが選定!DHA・EPAサプリのおすすめランキング

6. まとめ

いかがでしょうか?

「食べすぎたな~」と思ったり、「最近ちょっと外食ばかりだな~」という時にいきなり翌日に太る訳ではなく、しばらく時間が経ってからその代償が見た目にも表れてくる。

という思いを経験したことはありませんか?

これはまさに「中性脂肪」のなせる業で、「食べる→エネルギーが余る→中性脂肪として体内を循環→脂肪細胞にくっついて貯蔵」というのに一定のタイムラグがある為に「食べ過ぎたらすぐに太る」訳ではなくついついその状況を続けてしまうのですね。

また、脂肪細胞が大きくなったり増加するのにも時間が必要ですので、不摂生をされている方は見えてないだけで身体の中性脂肪が行き場を探しているかもしれませんよ。

ただ、とても人体にとって重要なものなので、きちんと中性脂肪を向き合って健康的な日々を過ごしたいですね!

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