最近話題の【中鎖脂肪酸/MCTオイル】あなたはその本当の効果を知っていますか?

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. 脂肪は「鎖」の長さで性質が違う?「中鎖脂肪酸」とは?

話題の中鎖脂肪酸について話す前に、まずはそもそもの脂肪酸について紹介したいと思います。

当サイトでは至る所で解説していますが、そもそも「脂肪酸」といってもピンとこない方が多いと思うので、しつこいですが掲載します。

脂肪酸とは、体内で「油/脂」が変換した栄養素であります。

どういうことかというと、油(脂質)は経口摂取すると小腸から肝臓へ行き、そこで摂取元が含有している脂肪酸へと変化して体内で細胞膜の構成に使われたり、エネルギー候補として脂肪組織へ蓄積します。

脂肪酸には様々な種類があり、「何から摂取するか(お肉なのか?魚なのか?植物油なのか?ナッツなのか?バターなのか?などなど)で脂肪酸の種類が大きく異なり、また脂肪酸の種類によって身体に取り込んでからの働きも大きく異なります」。

参考記事油の種類で変わる脂肪酸って何?飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは?脂肪酸の分類解説

油(脂質)を含む食べ物は無数に存在していますが、「特定の脂肪酸で100%を構成」するものは自然界には存在しません!!

種類別脂肪酸含有量
 (例) バター ラード ごま油 なたね油 大豆油 亜麻仁油 エゴマ油
飽和脂肪酸 67.0% 56.0%  15.0%  7.0%  14.0%  10.0%  8.0%
オレイン酸  29.0%  41.0%  40.0%  58.0%  24.0%  19.0%  13.0%
リノール酸  3.0%  3.0%  44.0%  23.0%  55.0%  14.0%  15.0%
リノレン酸  1.0%  0.0%  0.0%  10.0%  7.0%  56.0%  63.0%
その他  0.0%  0.0%  1.0%  2.0%  0.0%  1.0%  1.0%

このように何から摂取するかで脂肪酸の種類は大きく異なります。

そんな様々な種類の脂肪酸はそれぞれに特徴があります。それは後述するとして、次に脂肪酸の一覧を見ていきましょう。

各脂肪酸の炭素原子と二重結合数(フルバージョン)

このようにとても多くの脂肪酸が自然界には存在しておりますが、今回のテーマである中鎖脂肪酸飽和脂肪酸のカテゴリにのみ存在しています。

短鎖中鎖長鎖脂肪酸

飽和脂肪酸は一括りにされがちですが、飽和脂肪酸の中でも当然ながら種類の異なるいつくもの脂肪酸が混在していて特徴があるのです。

ただ、中鎖脂肪酸は日頃の食生活では中々摂取するのが難しい脂肪酸であります

例えば、日本で一番消費量の多い菜種油(年間供給量約110万トン)と二番目に多い大豆油(年間供給量約40万トン)の飽和脂肪酸の含有量はそれぞれ7%と14%ですが、その内カプロン酸~ラウリン酸までの中鎖脂肪酸の含有量はなんと0%です!

また、元々飽和脂肪酸の含有量が多い、バターやラードといった動物性脂肪でも中鎖脂肪酸の含有量はバターで8%ラードにいたっては飽和脂肪酸を50%近く含みますが、すべて長鎖脂肪酸であり、中鎖脂肪酸は0%とまったく含有していません。

このように中鎖脂肪酸とは意識しないと摂りづらい脂肪酸だということがおわかり頂けたかと思います。

2. 中鎖脂肪酸の特徴

前章で脂肪酸について簡単に解説をしました。

おさらいですが、全ての脂肪酸は炭素原子に異なった数の水素原子が結合して鎖状になったものでできています。では、中鎖脂肪酸にはどのような特徴があるのでしょうか?

中鎖脂肪酸の定義としては炭素原子が6個から12個のものです。
※ちなみに短鎖脂肪酸は炭素原子が6個未満の脂肪酸を指し、長鎖脂肪酸は14個から24個の炭素原子をもつ脂肪酸の事を指して総称しています。

中鎖脂肪酸と(一般的な油(脂質))長鎖脂肪酸をイメージ図で比較してみましょう。

長鎖脂肪酸構造イメージ図
中鎖脂肪酸構造イメージ図

このように同じ飽和脂肪酸の分類なので、二重結合の部分はありません、一本の鎖の長さをイメージしてもらえたらと思います。
大事なのはその鎖(C=炭素原子)の長さで、これが短い事によって中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸とは異なるルートでの消化や異なる働きをします

これがポイントなので繰り返しですが、(一般的な油(脂質))長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸の違いはその「消化ルート」になります。

先程記述したように(一般的な油(脂質))長鎖脂肪酸は分解されて脂肪酸としてすぐにエネルギーとして使われない場合は貯蔵に回ります。それに対して中鎖脂肪酸は分解されてまるで糖質のようにエネルギーとして活用されるまで体内を循環して優先的に活用されていきます

なので、よく見るキャッチフレーズである「脂肪がつきにくい」や「体にたまりにくい」というように表現されるのです。

また、もう一つの特徴として、体内をエネルギーとして循環する際には血液中を循環するのですが、(それは他の脂肪酸も糖質も同じですが)その時に血管に沈着する事が殆ど無いという事です。

中鎖脂肪酸は他の脂肪酸と違って、腸から肛門静脈に直接吸収されます。そこから肝臓に送られてそこで糖質と同じようにエネルギーとして燃焼されます。そういう意味で中鎖脂肪酸の働きは脂肪細胞というより糖質に近いと言えます。
ただし、糖質と違い中鎖脂肪酸は血糖値を上げないというのが大きな特徴です!

消化ルートの違いで中鎖脂肪酸は早急にエネルギーになり消化されていくのはわかりました。では、なぜ血管に沈着する事が殆ど無いのでしょうか?

それは脂肪酸には飽和度が高く炭素鎖が長いほど、脂肪は融点(固体が融解し液体になる時の温度)が高く硬いという特徴があるからです。逆に言うと、飽和度が低く炭素鎖が短いほど融点は低くやわらかい(固体になり辛い)という事です。

※バターを手に乗せるとしばらくすると溶けますよね。ラードは柔らかくはなりますが、時間がかかりますし、完全に溶けたりはしません。余談ですが、DHAやEPAといったいわゆる「体に良い」と言われる油(脂肪酸)は炭素鎖は長いのですが、その間で沢山二重結合しているので(例えばDHAなら22の炭素鎖の間に6つの隙間があるイメージ/C22:6)融点が低く、低温でも液体のままです。(なので、海中の魚や寒い所が産地の亜麻やえごまに多く含まれているのです)このようにDHAやEPAも中鎖脂肪酸と同じようにエネルギーとして血液中を循環する際に血管に沈着しづらいという特徴があるのです。

脂質はその特徴として貯蔵型のエネルギーですが、放出する際に融点(固体が融解し液体になる時の温度)が高く硬い脂肪酸だと血管に沈着してしまうというのが動脈硬化や血栓症、脳梗塞など現代人を悩ます病気につながっていると言われています。(要は体内(35~40℃)で溶けてスムーズに循環できるか?という事です。イメージ出来ましたでしょうか?)

ただ、ここで一言先に言っておくと、長鎖脂肪酸は決して悪者ではありません。

自然界の脂肪酸としては長鎖脂肪酸が圧倒的に数は多いですし、最も効率的でコンパクトな人体の栄養素なので貯蔵エネルギーとしての脂質の役割には最もふさわしいからです。

関連記事人はなぜ太るのでしょうか?脂肪蓄積と燃焼のメカニズムを徹底解明!

ただ、中鎖脂肪酸が先にあげたようにちょっと特殊だという事をご理解いただけると嬉しいです。

3. MTCオイルとは?中鎖脂肪酸が多い油(脂)の紹介

では、その中鎖脂肪酸を多く含む油(脂)はどのようなものがあるのでしょうか?

中鎖脂肪酸を多く含む自然の油としては

  • パームオイル(アブラヤシ油)
  • パームカーネルオイル(アブラヤシの種から精製する油)
  • ココナッツオイル

等のいわゆるトロピカルオイルに多く含まれます。

ココナッツオイルイメージ

その中でもダントツに中鎖脂肪酸の含有量が多いのがココナッツオイルであり、中鎖脂肪酸でおよそ63%を構成してます。
ラウリン酸48%/カプリル酸8%/カプリン酸7%と分散され配合されています。
※他は飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸以外で約27%)や不飽和脂肪酸等(約10%)で構成されています。

一方、今話題のMCTオイルは2種類の中鎖脂肪酸で構成されています。カプリル酸が75%、カプリン酸が25%という具合です。
では、なぜ、MCTオイルを先のココナッツオイルやパームオイルと同列で扱わなかったかというと、MCTオイルは主にココナッツオイルから抽出され精製加工されたもので、天然油脂ではなく合成油脂だからです。

石鹸業界や化粧品業界の製造過程の副産物としてMCTオイルを構成するカプリル酸とカプリル酸が安価で出来上がります。それらは化粧品業界ではこれ以上は使われませんが、これがMCTオイルのベースとなり、様々なサプリメントや健康食品に使われています。ちょっとビックリな話ですよね。

ちなみに、自然界で中鎖脂肪酸の多い食べ物(?)で特徴的なのが人間の母乳です。

その人の母乳とココナッツオイルに共通しているのが同じ中鎖脂肪酸でもラウリン酸(12:0)がメインで構成されているという点です。
※ただし、これは母親の食生活で大きく左右されます。母親の食事はとても大切なのです。

MCTオイルは市販の粉ミルクの重要成分となっていて病院で使われる早産児の栄養補給のための栄養剤としても使われています。
人工的だから駄目って訳ではないでしょう?という意見もあると思いますし、実際その通りだとも思いますが、人類の歴史の中で母乳やココナッツオイルはその効果や安全性は確保されていますが、MCTオイルはまだ不明な点が多いのも事実でしょう。(実は体に対して好影響はないのか?もしくは悪いのか?確信を持つまでには至っていません)。

人工的なMCTオイルでは作り出せない本当の中鎖脂肪酸を取りたければ、さらにその中身もチェックしてラウリン酸には注目していきたいですね。

4. 中鎖脂肪酸/MCTオイルの効果とは?何が凄いの?

中鎖脂肪酸はすぐにエネルギーとして活用されるというのは前章で記述しましたが、実はそれは中鎖脂肪酸の凄さの一旦であり、本当の凄さは燃やす力にあると言っても良いでしょう。

脂肪酸なのに燃やすとは?とお思いでしょう。そこですこし思い出してください。(一生懸命)ご飯を食べたときに体が暖かくなった記憶はありませんか?

それは食事をすると「体の細胞が消化と吸収を助けるために活発になるから」なのです。

食物から取り込まれたエネルギーの約10%が消化と吸収のために使われます

食べるものによってこの熱発生作用は異なりますが、肉などのタンパク質が多い食べ物は熱発生が高く元気を与えてくれます。
※タンパク質は炭水化物(糖質)よりもその消化・吸収時の発熱性作用は大きいのですが、日本人は肉の消化が欧米人に比べて不向きな性質を持つ人が多いので肉を食べ過ぎると逆に消化器系に大量のエネルギー必要となり疲労感を感じたり眠くなったりします。

タンパク質と比べて中鎖脂肪酸は吸収されやすく、急速に燃やされて活動のためのエネルギーとして使われると同時に代謝活動を高め長鎖脂肪酸も一緒に燃やしてくれます。

この熱発生作用が肝で、中鎖脂肪酸摂取後24時間程度代謝が高いままであるという研究結果があるようです。つまり中鎖脂肪酸の本当の凄さはすぐにエネルギーとして消化されていく過程で他のエネルギーも巻き込んで燃やしてく(代謝していく)力という事なのです。

MCTオイルは先述のように中鎖脂肪酸が100%にて構成されています。
話題になった完全無欠コーヒーにもMCTオイルを入れるようレシピに書いてあるのは中鎖脂肪酸には上記のような作用があるからなのです。

ただし、あくまでも摂り過ぎないという前提のもとです。栄養素を消化・吸収する際にエネルギーは必要ですが、何もせずに消化・吸収したエネルギーを使おうとしなければ中鎖脂肪酸は循環している間に体内で他の炭素鎖と合成されて長鎖脂肪酸へと変化して体内で貯蔵用のエネルギーとして備蓄されていきます。

何事も適量に気をつけないといけませんね。

5. まとめ

如何でしたでしょうか?

このように「意識しないと中々摂取は出来ないけど、脂肪酸なのに代謝を促してくれる為、健康志向&見た目を気にする現代人にはもってこいの油(脂肪酸)が中鎖脂肪酸である。という事や、中鎖脂肪酸が実は母乳や粉ミルクにも多く含まれている重要な脂肪酸である事、中鎖脂肪酸の中にも種類があり、天然物と人工物があり企業サイド(販売サイド)からしても消費者ニーズの高まりからマーケティングに力を入れていきたい商品である。などなどの中鎖脂肪酸にまつわる背景をおわかりいただけたら嬉しいです。

また、MCTオイル配合のサプリメントも最近は多いため、定期的な摂取に自信の無い方はそれらを試してみるのもいいかもしれませんね。

スポンサーリンク
error: Content is protected !!