バターは体に良い?悪い?実は種類も豊富な【バター】を油・脂の専門家が解説!

サプリメントマイスター/食用オイルソムリエ
40代男性、定期的に運動をしているにも関わらず健康診断でLDLコレステロール値が下がらなかったことをきっかけに油・脂習慣に注目し始める。食用オイルソムリエ、サプリメントマイスター資格を取得し、本サイトの編集長として専門性、信頼性のある情報発信を目指す

1. バターの歴史

焼きたての上等なパンに濃厚な高級バターをたっぷりつけて思いっきり頬張る!口の中で小麦の風味とバターのコクが絡み合って溶けていきます。そこにキリッと冷えた辛口の白ワインを流し込む。

あーーー。幸せ!!

バター大好きな私としては色々調べている内についつい妄想をしてしまいます♪

私達の生活に大変身近なバターですが、皆さんはどのような食べ方がお好きですか?
上記のようにパンに塗って食べるというポピュラーな食べ方だけでなく、ケーキやビスケットなど洋菓子作成には欠かせない材料ですし、料理では淡白な白身魚の焼き物やムニエルにも良く利用されています。もちろんソースやラーメンに入れたりといった調味料的な扱いもOKな万能食品です!

そんなバターを日本で食べるよう本格的になったのは明治時代らしく、明治政府が外国人相手に乳製品を供給するためだったと言われています。意外でしたが日本での歴史は浅いのですね。

ただし、バターの本場であるヨーロッパにおいてはその歴史は古く、古代ギリシャ時代にはもうその存在を示す文献があるようです。現在でもヨーロッパでは「オリーブオイルが主流の地域」と「バターが主流の地域」がはっきりと分かれています。基本的に、バターを保存しやすい寒冷な土地(フランス・ドイツ・スイス・オーストリアなど)ではバターが普及しており、温暖な気候の土地(ギリシャ・イタリア・スペインなど)はオリーブオイルがよく調理に用いられるようです。

今では輸送技術や保存方法が確立しているので、世界中で食べられますが冷蔵庫などの文明が発達する以前はアルプスなどの夏でも涼しい地域でしかバター文化が浸透していかなかったのでしょうね。

2. バターの脂としての分析

バターは植物油とは異なり脂質100%ではなく、脂質の他に炭水化物やタンパク質、水分が含まれています。
※液体の植物油は基本的に脂質100%です。
※ビタミンなどの極微量のものは除いて表記しています。

一般的なバターは脂肪82%・水分16%・タンパク質1%・炭水化物、ビタミン、ミネラル1%
と脂肪以外の成分も構成材料に含まれています。
※それがバターの魅力である「栄養豊富」だという事に繋がります。

また、バターはモノによっても異なりますが、融点は30℃前後と言われてますので、日本では夏場は放って置くと溶けていきます。ちなみに、15℃前後で完全に固形となり、40℃前後で完全に液体になります。
逆に冷やすとかなり固くなり、バターを切る専用の「バターナイフ」なんてものも存在しています。

油・脂を表現する際の文字の違いは(常温で)液体か?個体か?という事をベースに決定していますが、その違いは油・脂の中身(含有脂肪酸の種類)で大きく異なります。
※基本的に飽和脂肪酸が多いと融点が上がり(温度が上がっても固体)、不飽和脂肪酸が多いと融点が下がります(低い温度で液体になりやすい)。

このようにバターはとして、

①:脂質以外にも含有栄養素が量・種類ともに多い
②:飽和脂肪酸だけでなく、不飽和脂肪酸もまあまあ含有している

というのが特徴です。

重要なのは、「空気に触れると酸化しやすい不飽和脂肪酸をまあまあ含有している」という事です。

なので既存のケースで保存しておくと酸化が進んでしまいます!!
※植物油は酸化しやすい為、空気に触れにくい容器に入っていたり、同じく飽和脂肪酸がメインのココナッツオイルやラードは非常に不飽和脂肪酸の割合が低いため、密閉容器に入れる必要性が低いのです。

バターの成分の約80%が乳脂肪(酪酸4:0)です。この乳脂肪は食用油脂の中で最も消化がよく、吸収率は97~99%にもなります。必要な脂肪分を効率よく摂るには最適な食材です。

多くの食材と違って、牛乳やバターは加熱しても栄養がほとんど損なわれません。そのため、バターはさまざまな調理法でおいしく健康的に食べることができます。例えばパスタに絡めたり、ラーメンのスープにコクと風味付けで落としたり、肉や魚を焼いたりするのにとても適しているのです!

もう最高ですね!!

2-1. バターの栄養的側面

次にバターの「栄養的側面」から特徴をご紹介していきます。バターは

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • 乳酸菌

などが豊富に含まれているのが特徴です。

ビタミンA はなんと牛乳の10~13倍以上も含まれています!
現代人にとって不足しがちと言われているビタミンAは成長に欠かせない栄養素です。皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるので、吹き出物やニキビの予防にも効果的です。

ちなみに、バターが黄色いのはビタミンA のカロテンの色です。 からくりとしては牛の食べる牧草に含まれている為であるので、穀物の飼料ではなく放牧されて育った牧草牛から取れるミルクを原料としたバターのほうがビタミンAは豊富です。

ビタミンDは人体の活動に重要な役割を担ってます。日光を浴びて人の体で生成される特殊な栄養素で
食品から摂取する場合は意識的に摂取しなければ不足してしまいます。
ビタミンDはカルシウムの摂取を助けるばかりではなく、最近では糖尿病や免疫力アップなどに有効という報告もあり、重要な栄養素であると言えるでしょう。

抗酸化作用もあってアンチエイジング効果も期待でき、色素沈着を防ぐビタミンEも含有しています。ビタミンEといえば「脂溶性ビタミン」であり、植物油から摂取できる重要な栄養素です。植物油でビタミンEを多く含有しているのは「ひまわり油やコメ油」ですが、その含有量は100gあたり「ひまわり油/39mg・コメ油/30mg」に対してバターは100gあたり「2.3mg」なのでビタミンEだけを考えるとそんなに多く含まれているという訳ではないということがわかります。※ちなみにオリーブオイルだと100mg/7mg」程度の含有量になります。

乳酸菌が含まれているので、腸内環境を整え、便秘を予防する働きも期待できます。加えて胃炎や胃潰瘍などを予防するためにも日頃から上手に食生活に取り入れていきたい注目の栄養素です。

3. 世界のバター消費量

冒頭にも記述したように現在でもヨーロッパでは「オリーブオイルが主流の地域」と「バターが主流の地域」がはっきりと分かれているようです。基本的に、バターを保存しやすい寒冷な土地でバターが普及しており、国別1人当たりのバター消費量ベスト10を見るとそれは明らかです。

バターの消費量第1位はフランスで、年間1人当たり7.9 kg も消費しています。あまりピンと来ないと思いますので、1ヶ月当たりで考えると、スーパーで売っている塊のバター、3個分に当たります!

雪印 バター

日本人の一人あたり年間消費量が約600g なので、日本人の1年分をフランス人は僅か1ヶ月で食べてしまう事になります。驚きですよね!

順位 年間一人当たり消費量
1位 フランス 7.9 kg
2位 ドイツ 6.2 kg
3位 スイス 5.5 kg
4位 オーストリア 5.3 kg
5位 アイスランド 5.2 kg
6位 チェコ 4.9 kg
6位 ニュージーランド 4.9 kg
8位 ポーランド 4.1 kg
9位 パキスタン 3.8 kg
10位 インド 3.7 kg
10位 オーストラリア 3.7 kg
10位 フィンランド 3.7 kg

出典: Canadian Dairy Information Centre

こうしてみると、パキスタンとインド以外は全て「季節や地域によって結構厳しい寒さがある国」がランクインしているのがわかります。※同じユーロ圏でもイタリアやスペインなどはオリーブオイルメインなので、ランクインすらしません。

フランスを含むヨーロッパでは、エシレバターに代表される発酵バターが伝統的に食べられています。
原料のクリームを乳酸発酵させているため、爽やかな酸味が特徴です。

4. バターとコレステロールとアメリカと日本

ここまでも紹介してきたようにバターは豊富に栄養素を含み、様々な食事にも用途の広い優れた食品なのですが、バターはたくさん食べ過ぎると体にとってよろしくありません。(バターだけでなく何でもそうなのですが)

バターは血中のコレステロール値を上げてしまう食品とされ、コレステロール値が上がると動脈硬化の原因となり、やがて高血圧、脳卒中、心筋梗塞など重篤な疾患の要因となります。

しかし、厚生労働省では健康な方が食べる分には問題がないとしています。 また、コレステロール=悪者と思いがちですが、コレステロールはとても重要な働きがあります!人間の細胞膜を作るのに必要で、多くのホルモン(体にいろいろな信号を届ける物質)の原料でもあるのです。

参考記事コレステロールとは何者?その役割と油(脂)との関係性

アメリカでは40年間もの間、バターが体に良くないと言われ続けていましたが、バターに含まれている飽和脂肪は体に疾患がない限り、糖尿病、肥満、心臓発作および心血管疾患を促進することはないと言う専門家の意見をTIMESは特集で報じています。 つまり、過剰に摂取せずに、健康な人が普通においしく食べている分には問題はないということ。 何でも適量が大切、当たり前ですが大切ですよね。

5. こんなにあるの!?バターの種類

私のような平凡な人間はバターといえば雪印!

雪印 バター

というくらいしか認識がありませんでしたが、実はバターには様々な種類があります。バターはまず「発酵させているか?させていないか?」で別れます。発酵というのはバターの原料である牛乳を乳酸発酵させてから作るか、そのまま瓶などに入れて振り脂肪を分離させるか?という違いと思ってください。
※発酵バターは乳酸菌の種類、発酵環境によって味わいが大きく変わるのが特徴です。発酵による独特の香りとコクが加わり、深い味わいのバターで、ヨーロッパではポピュラーなバターです。

後は、練って水分を抜くのですが、その際に「塩」を足すかそのままか?という違いです。
※本来は、長期保存するために塩を加えたそうです。
※逆に無塩バターは日本においてはお菓子作りやパンに使用されることが多いそうです。

元々、日本で市販されているバターは「無発酵」がほとんどで、発酵バターはほとんど流通していなかったそうです。※最近は各社様々な商品を出すようになってきましたが。

発酵させている 無発酵
有塩 ①:発酵・有塩バター ②:無発酵・有塩バター
※日本ではこれがほとんど
無塩 ③:発酵・無塩バター ④:無発酵・無塩バター

6. 終わりに

如何でしょうか?

子供の頃から慣れ親しんでいるバターですが、「脂」としても非常に優秀(栄養豊富)ですし、最近では種類も増えてきているので是非皆さんの日常生活でも色々なバターを試してみてください!(ただしとり過ぎには注意してくださいね)

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