
1. そもそも馬油って何?どこから取れるものなの?
皆さんは「馬油(バーユ・マーユ)」ってご存知ですか?
世界では古くから使用されていますが、現代日本ではあまり馴染みがありませんので初めて聞く人も多いのではないでしょうか?
「馬油」とはその名の通り馬から製造される油で、食用の馬を解体する際に腹・首(たてがみ)の部位に火をかけ煮立たせ、不純物をろ過してつくられます。動物脂には他にメジャーなもので「牛脂・豚脂」などがあります。
牛脂や豚脂などはすき焼きやラーメンなどでよく使用されますが馬油は料理用というよりは日用品(シャンプー等)や化粧品的な役割で使用されるケースが多いです。
今回はその理由と期待できる効果・効能、オススメの馬油などをご紹介していきたいと思います。
2. 馬油の歴史
まずは歴史から見ていきましょう。
馬油は大変歴史が古く、実に4000年前の中国騎馬民族では使用されていた痕跡があり、5世紀の中国の医学書にはその利用法が記載されているそうです。
日本でも古くから使われていたそうですが、四足の牛馬は食用禁止の時代もあったため、「馬油は作りましたが、肉は食べていません」とはなかなか言えないためあまり記録は残っていないそうです。
ですが、馬は日本でも2~3世紀には生存の痕跡が認められていますので、恐らく馬油は利用されていたものと思われます。
大変歴史のある油なのです
3. 馬油はここがすごい!馬油の効果・効能
そんな馬油の特徴を一言で言うなら、「人の皮脂に脂肪酸構成が似ている」という事でしょう。
こちらの表を見ると一目瞭然なのですが、人の皮脂と馬油はほぼ同じ脂肪酸構成になっています。
人の皮脂 | 馬油 | 牛油 | 豚油 | オリーブオイル | 椿油 | |
---|---|---|---|---|---|---|
飽和脂肪酸 | 4 | 4 | 7 | 6 | 2 | 2 |
不飽和脂肪酸 | 6 | 6 | 3 | 4 | 8 | 8 |
一般的に動物脂肪(バター・ラード(豚脂)・ヘッド(牛油))には飽和脂肪酸、植物性脂肪(オリーブオイルや椿油)には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
参考記事油の種類で変わる脂肪酸って何?飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは?脂肪酸の分類解説
①人の皮脂と脂肪酸構成が酷似!
ところが、馬油には不飽和脂肪酸が多く含まれていて、他の動物性脂肪とは違い、植物性脂肪に近いちょっと変わった成分構成をしています。そんな変わった脂肪酸構成はなんと人間の皮脂構成に非常に近いのです!
そのため他の油に比べて「馬油」は人の肌になじみやすく古来よりやけどや切り傷など皮膚の再生を促す役割に主に使用されてきました。やけどなどの深刻な症状に長く使用されてきただけあって、敏感な肌にも安心して使用できるなど歴史が証明している抜群の安心感が馬油にはあります。
②保湿効果が抜群!
キレイに整った肌の条件は「水分」と「油分」のバランスが一定に保たれていることですよね。
人の肌に近い脂質を持った馬油は、肌に足りない皮脂の代わりとして角質層になじんでいきます。
そのため、与えられた水分をしっかり受け止め、保湿力をキープさせることが期待できるのです。
③副作用の心配がない
天然の動物由来ということもあり、無添加であれば安心して老若男女問わず使えますし、副作用等の心配もありません。
④浸透力が高くどこにでも使える用途の広さ
馬油をぬりながら手足をマッサージして、血のめぐりをスムーズにすると冷え性のケアにもなります。
4. 馬油の注意点
馬油は(馬油だけではありませんが)そのままだとやはり匂いがあります。また、他の動物性油に比べて不飽和脂肪酸が多い関係できちんと保管しないと痛みやすかったりもします。
(魚肉や馬肉が傷みやすいのと同じ原理です。)
そこで販売される商品には「添加物」を加えて香りや保存期限を調整しています。
それ自体は悪いことではまったくありませんが、何事にも限度があります。また、折角の自然からの贈り物なので、出来れば添加物の量や種類は少ないにこしたことはありません。
酸化を防止するためのトコフェロール(ビタミンE)や匂いを抑えるパルミチン酸アスコルビル(ビタミンC誘導体)などの配合はある程度は良いと思いますが、あまり水素添加をしているものはオススメできません。
あくまでも限りなくナチュラルなものを選んでいきたいですね。
5. スキンケア・ヘアケアにオススメの馬油4選
4位
タテガミ油 ショウキリュウ馬油
- 製造元/輸入販売元:サカエ商事
- 参考価格(税抜):3,360円
若い馬のタテガミ油使用しており、着色料・防腐剤・殺菌剤・香料・馬油を固める為の添加物等は入っていません。成分は馬油とトコフェロール(天然ビタミンE)のみなので安心して使えます。
※薬品等での固さの調節をしていないため、季節により固さが異なって感じられる場合があるため、涼しい所に保管が必要です。
3位
ソンバーユ
- 製造元/輸入販売元:株式会社 薬師堂
- 参考価格(税込):1,055円
ソンバーユはほとんど無臭。ニオイに敏感になる妊娠初期でも気になりません。だんだん大きくなってくるお腹のお肌のスキンケアは、できるだけ早めから。お腹以外にも“張り”が気になる太腿や二の腕部分等のスキンケアにお使いください。
2位
北海道純馬油
- 製造元:北海道純馬油本舗
- 参考価格(税込):3,240円
国産の馬脂肪100%から精製された、成分無調整の原油となります。クリーム状でキメが細かく、ベストセラーの馬油となります。やけど・かぶれのケアや乾燥肌、アトピーなどの保湿に是非一度お試してください。
1位
北海道精製純馬油ピュアホワイト
- 製造元:北海道純馬油本舗
- 参考価格(税込):6,480円
販売個数がなんと35万個突破というロングセラー。無香料かつ100%純馬油なので、乾燥肌・敏感肌・アトピーの方も安心して使用が可能です。顔・身体・髪の毛すべての保湿に使える馬油の定番商品です。馬油を使ったことがない方はまずはこちらをお試しください。
6. 終わりに
いかがでしょうか?
下手にお高いスキンケア商品を購入して、結局期待した効果が見えず、さらに状態が悪化した!なんていう経験のある方は是非、「太古より使用されてきた自然のスキンケアである馬油」を試してみてください。